◆ヤンキース12-5メッツ(11日、ヤンキー・スタジアム)

 ヤンキースの田中将大投手(30)が11日(日本時間12日)、本拠地で行われた交流戦注目のニューヨーク対決、メッツとのサブウェイシリーズ初戦に先発。6回2/3を投げて1本塁打を含む7安打5失点(自責4)も、打線の大量援護で5月12日のレイズ戦以来の4勝目(5敗)となった。

 生まれたばかりの愛娘に捧げる30日ぶりの白星だ。

「勝てたのは良かった。今年は、僕の試合で負けも多い(登板14試合で8試合にチームが敗戦)ので、そういう意味でも」。3回に3ランなどで一気に4失点するなど、3失策や記録にならない味方守備のミスに苦しみながらも、今季最多101球を投げた田中が、7回2死一塁で降板すると、客席から大歓声と拍手が沸き起こった。

 ダブルヘッダー第2試合に備えてブルペンの消耗を防ぐために、7試合連続6イニング以上投げた粘投に、ブーン監督も「ダブルヘッダーの日に長い回を投げてくれたのは、大きい」と満足げだ。

 マー君の愛称で親しまれた右腕も30歳。7日には、まい夫人との間に第2子の長女が誕生した。大リーグの産休制度「父親リスト入り」して遠征中のチームから離脱。ニューヨーク市内の病院で出産に立ち会った翌8日は、ヤンキー・スタジアムでブルペン入り。個別の調整を続けた。前日は雨天順延。デーゲームにスライド登板と様々な変化に対応しながら結果を出した2児の父は、「こっちは、家族が一番という考え。快く送り出してくれた。一生で1度しかない時は、大事にしたい。(赤ちゃんは)小さいですよ」と誇らしげに語った。

 今季は、スプリットの制球に苦しみ、先月はプレートの踏み位置を一塁側から三塁側に変更。この日は「真ん中」と、試行錯誤は継続中だ。「ここ3試合1イニングでまとめて失点するケースが続いているので、ああいうトラブルを防いでいかなければいけない」と反省しつつも、最近激減していたカーブを有効に使い、打者29人中26人から初球ストライクを奪う内容には、「違うアプローチでやって、いい部分が出てきたので、更に改善していきたい」と手応えも感じている。

 愛娘誕生後初勝利にもウイニングボールには「いらないですよ」と欲がない。更なるレベルアップを目指しているからだろう。

(ニューヨーク=一村 順子通信員)