ラグビー日本代表SH田中史朗(34=キヤノン)が「脱ご意見番」で史上初のワールドカップ(W杯)8強以上を目指す。宮崎市内で行われている強化合宿は11日に本格始動2日目を迎え、前日に続いてハードな練習を消化。W杯日本大会開幕100日前を12日に控える中で、BK最年長は「みんなの意識が高い。(今年に入って一喝が)ない」と手応えを語った。

33歳のフッカー堀江と向き合い、34歳田中が重さのあるボールを懸命に上へと放り続けた。午後の全体練習ラストメニュー。スクワットを交えた全身強化の最中、周囲は「盛り上げよう」「ラスト!」という励ましの声に包まれた。「みんな意識が高く、低い人がいない。ダラダラとしたところがない。そこは本当に成長した」。BK最年長は全体の意識向上を喜んだ。

「ご意見番」として仲間を叱咤(しった)する役目は終わった。「(今年は)ないです。今はそういうのは必要ないレベルに達しています」。15年W杯南アフリカ戦の歴史的勝利などを見て代表入りした若手が、すでにリーダーシップを発揮する。「そういう(ダメな)部分があったら、リーダー陣が発言をして、常に質の高いラグビーができる」。現代表最多69キャップを誇るチームの要にかかる負担は、4年前と違う。

朝昼晩の3部練習で追い込む今合宿。12日には開幕100日前が重なり「興奮していますね。まだチームが100%出来上がっていないけれど、そこを詰めてしっかりやれば、前回を超えられるチームになる」と言葉に熱を込めた。個のレベルアップは大前提としながら、初の8強入りへミスや反則の減少を意識する。

34歳でW杯3大会連続出場を果たせば、99年のバショップ(32歳)を超える日本代表SH最年長。田中には覚悟がある。「僕の中では最後(のW杯)になるのかなと感じている。不安は全然無いし、楽しみ。最後のW杯をどれだけ楽しんで、結果を残せるのか」。未踏の地を目指し、残り100日を過ごす。【松本航】