◆高校野球春季東北大会第4日 ▽準決勝 弘前学院聖愛7―6仙台育英(10日、荘銀・日新スタジアムやまがた)

 準決勝2試合が行われ、明桜(秋田1位)が鶴岡東(山形1位)に3―2で競り勝ち、32年ぶり4度目の優勝に王手をかけた。明桜はエース右腕の佐々木湧生(ゆう、2年)がコースを突いた投球で12奪三振、7安打2失点の好投を見せた。弘前学院聖愛(青森2位)は仙台育英(宮城1位)に7―6で逆転勝ち。3番・二塁の古舘智礼(こだて・とものり、2年)が9回に逆転打を放つなど、3打数2安打3打点と活躍した。決勝は11日午前10時から荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたで行われる。

 感情が抑え切れずに、弘前学院聖愛・古舘は送球間に進んだ二塁ベース上で1度だけ小さく声を上げた。1点を追う9回1死二、三塁から、中前へ逆転の2点適時打。打席に入る前、伝令役の斎藤悠輔主将(3年)から「思い切りヒットを打ってこい」と言われ、「迷わず振ろうと思った。状況に応じた打撃ができてよかった」と笑顔で振り返った。

 身長173センチ、体重68キロと小柄な古舘は、県大会では下位打順だった。しかし原田一範監督(41)は「今一番バットが振れているし、試合になると気持ちも入る」と、準々決勝から3番に抜てきした。レギュラーで2年生は1人だけだが物おじしない性格。宿舎での食事では二遊間を組む田崎陸(3年)の隣に座って連係を深めるなどグラウンド外でも積極的だ。

 古舘の一打で決着がついたが、試合展開は終盤まで一進一退。だが指揮官は「夏を考えるといい経験をさせていただいている。勝って成功体験をすることが大事と選手たちには話している」と厳しい試合も大歓迎。全てが夏の糧となる。

 春秋通じて初めて進んだ決勝では、前身を含め甲子園夏春14度出場の強豪・明桜と対戦する。古舘は「調子はいい。維持できるようにしたい」と大一番でも打つと気合十分。苦しみながらも優勝し、最高の成功体験をしてみせる。(有吉 広紀)