静岡県高野連に登録している唯一の女子選手がいる。青木萌(3年)は、度重なるケガにもめげず、静岡東で白球を追い掛けてきた。「昨年、腰椎分離症になって、さらに悪化させてしまって…。ようやく最近守備練習を再開しました」シートノックでセカンドに入り、男子と一緒に打球をさばく姿は「普通にうまいっす」と選手からの評価も高い。

 小学3年生の時、ご褒美のお菓子目当てで参加した練習で夢中になった。中学時代は静岡ジュニアユース・ベースボールクラブ(JYBC)に所属。静岡東入学後は練習試合に出場したほか、県外の女子チームでも活動。だが昨年2月に目に打球を受け、骨折。「次やったら失明する可能性があると言われ、一度はやめようと思った」という。それでもJYBCからのチームメート荒井らから「最後まで頑張ろう」と励まされ、最後の夏にたどり着いた。

 練習中は「気分を上げて欲しい」と気持ちを込めて大声を飛ばし、居残りの自主練習を手伝う。「意志が強い。プラス思考だし、尊敬している」と荒井。エラーすると「思い切ってやれ」とゲキを受けるという山野は「自分は出られなくてもサポートしてくれる。人のために頑張ってくれるのは感謝している」と話す。

 野球は高校で卒業し「ケガで入院した時にお世話になったので」と看護師を目指すという。改めて振り返って「みんな優しくて、私もこの野球部に居場所があったんだなと感じています」と青木。堀井主将は「青木もそうだし、女子マネジャーも含めて、支えてくれる方に恩返しをしたい」。思いを背負い、夏の戦いに挑む。