「ウエスタン、阪神4-7広島」(8日、淡路佐野運動公園野球場)

 右ふくらはぎ筋挫傷から1軍復帰を目指す阪神・福留孝介外野手(42)が8日、ウエスタン・広島戦(淡路)に「5番・指名打者」で実戦復帰を果たした。当初は2打席の予定だったが、志願して3打席目に立ち左前打を放った背番号8。走塁も無難にこなし、9日の同戦では守備にも就く予定だ。1軍は日本ハムに連敗を喫した中、矢野燿大監督(50)は早期復帰を懇願。11日のソフトバンク戦(ヤフオクD)での最短復帰へ9日、最終関門に臨む。

 1軍復帰への思いを色濃く感じさせた瞬間だった。5年ぶりの2軍戦出場。志願して立った最終打席に左前打が生まれ、淡路に詰めかけた虎党から拍手に包まれた。

 当初は2打席の予定だったが、2打席連続の空振り三振に終わった後、「もう1打席立ってもいいですか」と首脳陣に直訴した。迎えた五回2死走者なしからの第3打席、広島・ローレンスが投じた外角直球を逆らわずに打ち返した。

 打球は三遊間を破り、福留は一塁塁上で息をついた。ここで代走が送られる可能性もあったが、福留自身は「ランナーで足の感触を確かめたい」と志願し、そのまま出場。全力疾走するシーンはなかったが、実戦の中で患部の状態を確認できたことは収穫だ。

 試合前練習では中堅の位置でノックの打球を追った。さらに軽めのダッシュやランニングを行うなど調整に余念はない。試合後、福留は状態について「分かりません。ノーコメント」と話しながらも、表情には充実感がにじみ出ていた。

 平田2軍監督は「動きを見ても問題はない。孝介が『明日は守備に就かせてください』と」と、患部に不安がなければ9日の同戦で守備に就く予定だ。すべては最短復帰となる11日のソフトバンク戦(ヤフオクD)に間に合わせるため-。一報を受けた矢野監督も「孝介自身が行けるかどうかが俺らの判断の一番。試合に出て走れたのはすごく前進したと思う」と目を細める。

 ベンチでは後輩の安打にガッツポーズを見せるベテランの姿があった。5日に鳴尾浜の特打でドラフト2位・小幡(延岡学園)に「(下半身の)割れを作れ」とアドバイスした。三回に中越えの三塁打を放つと、福留はまるで自分のことのように喜んでいた。

 単に実力だけでなく、その姿勢こそが1軍の戦力として請われる要因。指揮官は「孝介を見習うとか、実際に教えてもらうとか。それが孝介にある。そういう部分でも俺の気持ちの中で早く戻ってきてもらいたいのが正直なところ」と早期復帰を懇願した。強者が並ぶ交流戦を勝ち抜くために-。背番号8の存在が絶対に欠かせない。