2004年アテネ五輪に出場するなど長くバスケットボール女子日本代表の3点シューターとして活躍した矢野良子(40)が、20年東京五輪の新種目、3人制バスケットで奮闘している。昨年9月には国内最多のチームが出場する新リーグ「3W(トリプルダブル)」を自ら設立。「もう一度五輪の舞台に立ちたい」という自身の夢をかなえるため、競技と運営の両面で奔走している。

 5月25日、東京・青海の自動車展示場の一角で行われた3Wの今季最終戦。矢野が5人制時代と変わらない厳しい守備からボールを奪い、シュートを連発する。矢野が率いる「REXAKT」が今季7度目の優勝で、シーズンを終えた。

 Wリーグのトヨタ自動車でプレーしていた矢野が3人制への転向を表明したのは2年前。5人制で再び五輪を目指したが、08年北京、12年ロンドン大会は予選敗退。8強入りした16年リオデジャネイロ大会はメンバーから外れた。3人制が正式種目に決まる見通しだと知り、転向を決めた。

 発表の直後、日本代表としてワールドカップに出場。それが終わると「協会から提示された活動日が年間4日しかなかった」。国としても個人としても、五輪に出場するには国際連盟(FIBA)が承認する大会を転戦してポイントを稼ぐ必要があるが、女子は特に国内大会が少なかった。

 各大会で得られるポイントは出場チーム数や賞金額の規模に応じて定められる。出場チームが足りずにポイントが下がってしまう既存の大会が複数あったため、まずはWリーグを引退した元選手30人ほどに声をかけて出場者を増やした。

 それでも国外へ転戦しやすい欧州勢などに比べるとポイントが足りない。「このままでは五輪に出られない」。翌シーズン、国内最多の12チームが集まる3Wを設立。練習のかたわら運営やスポンサー集めに奔走し、13ラウンドを開催。「自分が五輪に出るためです」と冗談めかすが、全体の底上げに貢献した。