競泳の16年リオ五輪男子400メートル個人メドレー金メダリストで、3月から不振による無期限休養に入っていた萩野公介(24)=ブリヂストン=が6日、都内で会見。スポーツ報知既報通り、20年東京五輪へ向け再始動したことを明らかにした。順調に調整が進めば、8月のW杯東京大会(東京・辰巳国際水泳場)が復帰戦になる。帰ってきた天才スイマーは、東京での複数種目での金メダル獲得を改めて目標に掲げた。

 2月のコナミオープン以来約4か月ぶりに公の場に現れた萩野は、5月から単発的に軽い練習を再開したと認めた。「水泳がすごく好き。泳ぎたいという欲求を感じた」。今後は本格的に練習の強度を上げ、復帰レースは8月のW杯東京大会(東京・辰巳国際水泳場)か9月の茨城国体に設定。平井伯昌コーチらにはW杯出場の意向を伝えている。

 今季は極度の不振に陥り、3月に無期限の休養宣言。「自分で自分を追い詰めていた。結果に対して、泳ぐ前から不安になっていた。正直つらいという思いが先に出た。水泳が嫌いになりつつある」と精神面が理由だった。休養中はドイツやギリシャを旅行して競泳一色とは真逆の時間を過ごし、知人とも会ってリフレッシュした。欠場した4月の日本選手権前に出身地の栃木県のスイミングクラブ関係者から「引き際は自分で決めろ」と言われ「もっと泳ぎたい、高みを目指したいと思った」と明かした。

 東京五輪は、あと1年と少しで開幕する。「目標は複数種目の金メダル、と心に決めてやっていこうという気持ちになった」。リオで金を獲得した400メートル個メに加え、200メートル個メ、200メートル自由形など、本来の姿に戻れば頂点を狙える種目はいくつもある。

 平井コーチは引退も含め「自分で決断するように」と、まな弟子に伝えていた。「休んだマイナス面も大きい。道は厳しいぞ、ということも言いたい」。これまでは自らのチームの中でも萩野を重点指導し、7割は時間を割いてきたが「今までと同じというわけにはいかなくなる」と特別扱いはしない方針だ。

 とはいえ、萩野のいない競泳陣が日本選手権などで低調だったのは事実。「日本の競泳界にとってはいいニュース。やはり萩野がいないと大変だった」と代表を束ねる立場としての本音も漏れた。

 ◆「体重77キロぐらい」…萩野に聞く

 -日本選手権はどういう思いで見ていたか。

 「海外から見た。みんなも必死に頑張っているんだな、と。時間はかかるかもしれないが、またあの舞台に立ちたいという思いだった」

 -日本代表選手がエールを送っていた。

 「素直にうれしい。食事の場とかでは会っていた。『とりあえずゆっくり休んで頑張ろうよ』と、たくさんの選手が言ってくれた」

 -顔はふっくらしたか。

 「体重は77キロぐらい。ベストは72キロ。(落ちるのは)すぐだと思う」

 ◆萩野の東京五輪への道

 個人で金メダル獲得なら五輪内定となる7月の世界選手権(韓国・光州)は欠場。五輪出場には来年4月開催予定の日本選手権で、個人種目で派遣標準記録を切った上で2位以内に入る必要がある。W杯東京大会や茨城国体で日本水連が定めるインターナショナル標準記録を突破できれば、国立スポーツ科学センターの施設を使用できるなど代表同様の環境で強化も積める。

 ◆世界の個人メドレーの現状

 本来の状態ならば、という前提はあるが萩野、瀬戸大也(ANA)、17年世界選手権2冠のチェース・ケイリシュ(米国)が3強。400個メの今季世界ランク1、2位はともに瀬戸。200個メではダンカン・スコット(英国)らが好調だが、萩野の自己ベスト(1分55秒07)には及ばない。ケイリシュは調整途上だが世界選手権には合わせてくるはずで、3強を脅かす新星は出現していない。