<陸上:布勢スプリント>◇2日◇鳥取・コカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク陸上競技場◇女子100メートル

女子100メートルの土井杏南(23=JAL)が4年ぶりとなる11秒5台をマークした。追い風1・9メートルの予選2組で11秒52の1着だった。

参考記録となる追い風2・2メートルの決勝も11秒55で優勝。土井は「久々に1番でゴールできた。陸上をやっている以上、トップは譲りたくない。そこはよかった」と笑った。現在は母校・埼玉栄高で練習を積む。スタートの練習は高校生に混じってやるという。「高校生は体力が無限大。ずっと一緒にスタートをできる。私も楽しい。そういうのがレースにつながっているのかな」と白い歯を見せた。

埼玉・朝霞一中では11秒61の中学記録を残し、埼玉栄高2年時には現在の自己ベストでもある11秒43の高校記録を樹立した。ロンドンオリンピック(五輪)の出場は日本陸上界で戦後最年少。天才少女として世間を騒がせたが、その後はケガに苦しんだ。ヘルニアや肉離れの繰り返し。大東大3年時は日本選手権で予選落ち。昨季の最高は11秒94で、日本選手権や織田記念国際は資格の記録が足りず、出場もできなかった。昨夏に拠点を埼玉栄高に移し、恩師の清田監督に再び師事し、確実に本来の力を取り戻しつつある。5月の世界リレー大会では女子400メートルリレーの第1走者も務めた。再び日本女子のトップスプリンターに戻ってきた。

苦しんだ大東大での4年間は11秒56が最高だったが、そのタイムを社会人2年目で超えた。13年以降の最高タイムでもあった。今の目標は世界選手権(9月開幕、ドーハ)の参加標準記録11秒24を突破すること。「ちょっとずつですが、着実にステップはできている。苦しい思いをたくさんした。今は本当に楽しく陸上ができている。ドーハに行く。そこはぶれずにやっていきたい」と力を込めた。3週間後の日本選手権(博多の森陸上競技場)では11秒24切りと、初優勝と狙う。