大相撲夏場所で幕内で初めて勝ち越した琴恵光(27)=佐渡ケ嶽部屋=が出身地の宮崎県延岡市に帰省し、28日、読谷山洋司市長を表敬訪問した。県出身の幕内力士としては元関脇金城(かねしろ)(栃光)以来、35年ぶりの勝ち越し。幕内在位は通算4場所とあって、物腰にも風格が出てきた。

 昨年7月の名古屋場所で県出身力士として44年ぶりに新入幕。1月の初場所で再入幕後、2場所連続で7勝8敗と負け越したが、3場所目の夏場所で念願の8勝目を手にした。夏場所の西前頭15枚目から番付が上がるのは確実だ。

 夏場所千秋楽から2日後。市役所玄関で職員らに出迎えられた琴恵光は数分間足を止め、胸を張って皆に雄姿を披露した。

 市長応接室では読谷山市長と懇談。「一歩一歩、着実に積み重ねているから次の場所が楽しみ。夏場所も市民や県民の応援は届いたでしょうか」と市長に問われると、「もちろんパワーになりました」と笑顔を見せた。

 琴恵光は28日、宮崎県延岡市で記者会見した。主なやりとりは次の通り。

 ――幕内で初めて勝ち越しを決めた時の感想は。

 幕内には上がれたが、なかなか勝ち越せなかったので本当にうれしかった。今までやって来たことが、つながったんだなと思った。

 ――今場所は何が良かったか。

 立ち会いですね。スピードと、相手よりも低く強く当たること。それらがかみ合ってきているのでは。

 ――印象に残る一番は。

 勝ち越した相撲。立ち会いが強い相手(阿武咲)なので強く当たろうと思った。押し負けなかったのは自信になる。

 ――同じように前半で6勝した先場所との違いは。

 気持ちの問題。攻め切るよう意識して気持ちを強く持ち、落ち着いて。勝ちたい欲が強過ぎて空回りする部分があるので、そこを抑えながら冷静に取れた。

 ――後半は5連敗した。

 良い経験だった。圧倒された負けではないので自信になった。稽古(けいこ)を積んでいけば対抗できると感じた。

 ――次の目標と対策は。

 常に2桁勝つことを目標に土俵へ上がっている。立ち会いで、いかに相手より先に自分の形になれるかを意識しながら稽古したい。

 ――祖父(元十両松恵山)を超えたと思うか。

 実際に(相撲を)やってみたい。やってみないと超えたかどうか分からない。 ――地元の応援に一言。

 土俵の上では1人だが、皆さんがパワーをくれるので自分の力になっている。(吉田耕一)