■平尾剛の知って楽しむラグビー学

 ラグビーのワールドカップ(W杯)が2019年に日本で開かれます。同志社大、神戸製鋼で活躍した元日本代表で神戸親和女子大教授の平尾剛さん(44)に、世界ランクとは別に各代表チームの階級を示す「ティア」について聞きました。

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 多くのスポーツで世界ランキングが導入されている。ラグビーでも、2003年から世界統括団体であるワールドラグビーでランク付けが始まった。代表チーム同士の試合を意味する「テストマッチ」の結果がポイント換算され、その合計で順位が決まる。5月時点では1位がニュージーランド(NZ)、2位ウェールズ、3位アイルランドだ。

 日本は11位でサッカーの26位(5月現在)に比べるとずいぶんトップに近い印象だ。だが、番狂わせが少ないラグビーでは試合はランク通りの結果になることが多く、ワールドカップ(W杯)で決勝トーナメントに出場できるのが8チームであることを考えると上位とはいえない。

 世界ランクとは別に、ラグビーでは各代表の位置づけを明確に区分する「ティア」と呼ばれる階級がある。戦績に加えて、伝統や格をも考慮した総合的な実力で三つに分けられる。最上位に位置する「ティア1」は10チーム。「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」を戦う南半球のNZ、豪州、南アフリカ、アルゼンチンと「シックスネーションズ(6カ国対抗)」で鎬(しのぎ)を削るイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランス、イタリアで構成されている。

 日本は「ティア2」。W杯には出場するものの、予選を突破するまでの実力を備えていない中堅国という位置づけから出ていない。歴史的な経緯から、「ティア1」と「ティア2」との間には明確な差がある。普段のテストマッチは同じティア内、W杯ではティア1に有利な日程が組まれるなどの不公平がある。ラグビー界で重んじられる伝統や格、それらを日本は乗り越えなければならない。

 前回W杯の南アフリカ戦で、世紀の番狂わせを起こした日本は、世界にその実力を認められつつある。この流れを止めないためにも、今秋のW杯では決勝トーナメントへの進出を期待している。