保坂典子のAmerican Cheer Life Vol.4読者のみなさまこんにちは!日本は亜熱帯気候になってしまったのではと思うほどの暑さだと聞いています。どうぞ精力のつくものを食べて夏バテを防いでくださいね!今回は日本と米国の美の基準の…

保坂典子のAmerican Cheer Life Vol.4

読者のみなさまこんにちは!

日本は亜熱帯気候になってしまったのではと思うほどの暑さだと聞いています。どうぞ精力のつくものを食べて夏バテを防いでくださいね!

今回は日本と米国の美の基準の違いについてお話しさせていただこうと思います。

 1.こんがり肌

私が子供の頃、夏といえば海へ行きカンカンに照る太陽も気にせず遊びまくって真っ黒に日焼けするのが当たり前でした。元々地黒の私は皮がむけることもなくそのままドンドン真っ黒になっていました。

しかし、思春期の頃になると自分が色黒である事を恥ずかしいと思うようになりました。美白化粧品を使用したり、当時話題だったきゅうりパックなどをしてみたり、肌を白くすることを目指しましたが、やはり色黒は色黒、と鏡を見ながら悩んだりしたこともありました。

そんな私に転機が訪れたのは、『欧米では日焼けした肌が素敵』という、日本とは真逆の価値観があると聞いた時でした。

高校生の頃、アラスカに一年間交換留学していた時に、ホストシスターに肌の色を羨ましがられたのを覚えています。しかし、当時は『美白神話』を信じすぎるあまり、「気を使って褒めてくれているのだろう」と思っていました。

その概念が完全に覆されたのが、NFLチアリーダーになった時でした。オーディション前にタンニング(日焼け)をした方が良いことは知っていましたが、欧米人が小麦色の肌が素敵だという価値観を本当に持っていることを実感できたのはチームに入ってからでした。

大体どこのチームにもタンニングサロンがスポンサーとして付いており、チアリーダー達は無料もしくは格安で利用することができます。チームメイトもこぞってサロンに行き日焼けをしてくるのですが、NFLチアリーダーになりたての頃は、自分の中に染みついている『美白神話』が消せず、チームに所属してからも行動には移しませんでした。

しかし、カレンダー撮影の前にチームメイトに誘われて一緒に行くことになり、大人になってから今までで一番日焼け状態した状態になりました。私は内心、「うわー! 子供の頃のように真っ黒に日焼けしてしまった〜!」と、『本当にこれでいいのだろうか?』と半信半疑でした。

翌日チームの練習に行くと、チームメイトが目を丸くして「Oh my God!!! You got tan!!! You look so fabulous! 」(わー!! 日焼けしたのね! スッッッゴイ素敵!!)と言いながら近寄ってきて私を取り囲み、小麦色になった肌を褒めちぎりました。

私の日焼けに対する概念が180度変わったのは言うまでもありません。

一方で、皮膚ガンや肌の老化のリスクを考え、チームでは太陽の光に当たって焼くことや、機械に入って焼くことは推奨していません。代わりに『ミスティックタン』というスプレーで小麦色の肌になれる方法が推奨されています。『ミスティックタン』はスプレーをすると約1〜2週間、肌の色をキープできます。

2. 筋肉

日本では『細い!』という事が褒め言葉ですが、アメリカでは細いだけではなく、ある程度運動をして筋肉がついている体が美しいとされています。チームにも専門のトレーナーが来て、毎週火曜日、練習後に恐怖の『筋トレ』が待っていました。

エクササイズの内容も日本のシェイプアップを目的としたものとは異なり、太ももとヒップを徹底的に鍛えるメニュー組まれていました。日本では筋肉のないスラっとした足が良いとされていると思いますが、米国では太ももが張っていて、ヒップがプリッとしている事がとても魅力的とされているようです。

3. 可愛らしさとセクシーさと自信

日本では一般的に初々しいや、ほんわかした雰囲気、色に例えるなら『パステルカラー』のような女性が魅力的とされていますが、米国では自信に満ち溢れて自分の良さをしっかり理解している、色にたとえるならはっきりとした『原色』のような女性が魅力的とされています。

NFLチアリーダー1年目のオーディションの時、写真撮影とビデオ撮影がありました。そこでは振る舞い自体も細かくチェックされました。

日本では『私できます!』と前に出て行き、積極的にポーズを取っていく性格は、あまり好まれない風潮が少なからずあると思います。しかし、米国ではそこでモジモジしていたり、おどおどしていたりすると『この子はダメだ』と思われ、未熟な女性という印象で捉えられてしまうと強く感じました。反対にカメラの前で堂々と自信をもって自らポーズを提案するぐらい余裕がある子が評価されていると感じました。

私は内心ドキドキしながら自信を持った振舞いに見せていたことを鮮明に覚えています。

その他にも、髪は多い方が良く、アジア人の髪は羨ましがられていたり、鼻が高いのは良くなくて小ぶりの鼻にするための整形が一番需要があったりなど、日本人の感覚と大きく違うものから、歯並びや歯の白さは美しさの絶対的な要素だったり、まだまだたくさんあります。

次回もまた実体験を通して、生の声をお届けできればと思います。

暑い夏もスマイルで乗り切りましょう!

 

Noriko Hosaka

獨協大学卒業後、Xリーグチアリーダーを経て2008年に渡米。NFLワシントンレッドスキンズ、米国室内プロフットAFLサンノゼセイバーキャッツ、NFLオークランド・レイダースと米国で計6年間、チアリーダーとして活動。現在はNFLを目指すチアリーダー向けのワークショップを開催するなど、後進の指導にあたっている。サンフランシスコ在住