スポーツクライミングのボルダリングのワールドカップ(W杯)が5日、スイス・マイリンゲンで開幕する。高さ5メートルほどの壁に設定されたルート(課題)をいくつ攻略できたか、その数を競うこの種目。日本は国別ランキングで5年連続1位を誇る最強国だ。代表選手たちが2日午前、羽田空港を出発した。

 今季は、米・コロラド州ベイルでの最終戦まで計6戦が開催される予定。ただ、2020年東京五輪の出場権がかかる世界選手権(東京・八王子)が8月にあるため、W杯の位置づけは選手によって様々だ。

 過去4度も年間女王に輝いたことのある女子の第一人者、野口啓代(TEAM au)は、出場を半分の3戦程度に絞るつもりという。「大会にたくさん出て経験値を積むというよりは、良い流れをつかみ、自信を持った状態で世界選手権に臨みたい」。今季に限っては、W杯は調整の意味合いが強い。

 五輪の実施種目はボルダリングだけでなく、高さ15メートルの壁を登る速さを競う「スピード」、到達した高さが勝負の「リード」を合わせた3種目の複合。出場試合を減らすことで、「あくまでも3種目の調子を上げていくつもりでいます」。W杯年間優勝は割り切ってあきらめ、確実に五輪切符を狙いにいく。

 16年に世界選手権を制した男子のエース、楢崎智亜(同)も同様に出場を3戦に絞る予定だ。「全戦で優勝しても取れないと思う」と年間王者は狙っていない。「世界選手権のためにっていう気持ち」

 一方、17年に史上最年少でボルダリング日本一に輝いた16歳の伊藤ふたば(同)は、全戦出場を視野に入れている。「世界選手権だけじゃなく、W杯の年間(優勝)もすごく狙っている」。まだ、W杯参戦2年目。「やっぱり野口選手とかに比べると、試合の経験数が少ない。経験を積んでいった方がいいのかなと」。W杯で多くを学び、五輪出場につなげる作戦だ。

 開幕戦には他に、ユース世代のトップ選手、15歳の森秋彩(あい)(茨城・つくば開成高)もW杯に初参戦する。女子のエースの一人で、昨季は年間女王にも輝いた野中生萌(みほう)(XFLAG)は、3月の大会で左肩を痛めた影響で出場は回避した。(吉永岳央)