岐阜県関市立板取川中学校がダンスの全国大会で2連覇を達成した。全校生徒64人、1学年1クラス。山間にある小さな中学校にダンス部はなく、ダンス経験者もいない。唯一の武器は、クラス全員の心を一つにした魂の躍りだ。

 3月上旬、まだ雪が残る関市洞戸地域。底冷えのする体育館で体操着姿の2年生が踊っていた。集団行動のような直線的な動きから一転、激しいステップ。センターのスミス桃美さん(14)を中心に、全員が激しく動き、感情を解放する。

 「思春期は誰しも不安な気持ちを抱いているけど、それはみんなも同じ。最後は仲間が支えてくれる、という思いを込めました」。スミスさんは、自分たちのダンスをそう説明する。

 昨年12月の全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクール(内閣府、文部科学省後援)自由曲部門で1位にあたる文部科学大臣賞を受賞した。全国の中学生が学級単位で、体育の授業で学ぶ「現代的なリズムのダンス」を競った。

 普段はバスケ部の植前真一朗君(14)は「僕たちは20人しかいない。人数が少ないのはハンディかもしれないけれど、団結はどの学校にも負けない」と話す。

 地域唯一の中学校である同校にダンス部はない。地元にはダンススタジオもない。ダンスを教える2年生の担任川崎哲郎教諭(31)も学生時代はサッカー部。「私も技術的な面は全然分からないんです」

 頼りは関・美濃でキッズダンスカンパニーを主宰する山崎明美さん。不定期に教えに来てくれる山崎さんに習ったことを思い出しながら昼休みなどに踊った。