日本水泳連盟は29日、2016年リオデジャネイロ五輪の競泳男子200メートル個人メドレーで4位入賞した藤森太将(ひろまさ)選手(27)=木下グループ=が、ドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。藤森選手は国際水連(FINA)による暫定的な資格停止処分を受け、4月2日開幕の日本選手権(東京辰巳国際水泳場)には出場できない。

 藤森選手は昨年12月に中国・杭州で開かれた短水路(25メートル)の世界選手権に出場。その際の検査で、検体から興奮作用のある禁止物質メチルエフェドリンが検出された。予備のB検体でも陽性反応を示した。メチルエフェドリンは市販のかぜ薬などに含まれる。FINAの聞き取り調査を経て、正式な処分が決まる。

 藤森選手は日本水連を通じて「検出された物質は、意図的に摂取したものではない。体内に摂取する物質については日ごろから気をつけてきたので、今回の結果に大変驚きショックを受けている。原因が分からず、今後、FINAの手続きで明らかにするべく進めていく」とコメントした。

 日本の競泳界では昨年、大学生の男子選手や、世界選手権金メダリストの古賀淳也選手のドーピング違反が発覚したばかり。日本水連は、選手向けの研修会を開くなどして再発防止に力を注いでいた矢先だった。

 日本水連の幹部は「指導は徹底している。本人も摂取の心当たりは無いと言っている。どこに気をつけたらいいのかが分からず、手の打ちようがない」と話した。(清水寿之)

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〈メチルエフェドリン〉 世界反ドーピング機関(WADA)の禁止リストで、「興奮薬」に該当。市販の風邪薬や漢方薬に含まれているため、「うっかり」飲んでしまい、違反になるケースが散見される。最近の日本選手では2017年、レスリング男子の成国大志選手が風邪薬を服用し、検査で陽性反応が出た。検体からは同じく興奮作用のあるクレンブテロールも検出され、1年8カ月の資格停止処分を受けている。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によると、12年以降では陸上やパワーリフティング、体操、ハンドボールなどでもこの禁止物質で違反者が出ている。