フィギュアスケートの世界選手権第3日は22日午後5時半から、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで女子フリーが始まる。

 20日のショートプログラム(SP)では、平昌五輪金メダルの16歳、アリーナ・ザギトワ(ロシア)が今季自己最高の82・08点で首位に立ち、全日本女王で18歳の坂本花織(シスメックス)が自己ベストの76・86点の2位で追う。昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルと今年2月の四大陸選手権を制した16歳の紀平梨花(関大ク)は、70・90点で7位と出遅れた。SPの得点を分析しながら、フリーを展望する。

 フィギュアスケートで毎シーズン必ずと言って良いほど聴く曲といえば、ミュージカル「オペラ座の怪人」を思い浮かべるファンも多いだろう。これまで、羽生結弦(ANA)をはじめ、歴史に残るスケーターたちが好演を見せてきた。

 そして今季。ザギトワが世界最高峰の舞台で素晴らしい演技を披露した。流れるようなスケーティング技術と音を正確につかんだ演技で、演技構成点は出場選手でただ1人5要素全て9点台。「音楽の解釈」は9・50点を得た。ジャンプも、冒頭のルッツ―ループの2連続3回転で2・44点の出来栄え(GOE)加点を得た。

 今季は身長が伸びるなど、ジャンプの精度を欠き、ロシア選手権で5位になるなど苦しんだ時期もあった。だが、世界女王を決める舞台に向けて見事に調整してきた。

 2位の坂本は、代名詞の幅のあるダイナミックなジャンプが光った。冒頭のフリップ―トーループの2連続3回転は、練習通りの感覚で「いけるなと思った」。GOEで2・12点の加点を得た。演技構成点も5要素全て8・5点以上を並べ、ロシア勢に続く全体3位。表現面でも成長を見せた。

 一方、紀平と宮原知子(関大)は、冒頭のジャンプで波に乗りきれなかった。紀平はトリプルアクセル(3回転半)が1回転半になり、規定で無得点に。宮原は、ルッツ―トーループの2連続3回転で回転不足を取られた。ただ、2人ともその後はミス無くまとめ、スピン、ステップは最高のレベル4を並べ、70点台に踏みとどまった。

 今季は数々の逆転劇を見せてきた紀平だが、首位のザギトワとの差は11・18点。ザギトワのSPの調子を見る限り、逆転優勝への壁はこれまでに増して高い。GPファイナル、四大陸選手権との3冠を達成するには、2本のトリプルアクセルを跳ぶ予定のフリーで完璧な演技をすることが絶対条件になる。(前田大輔)