(20日、フィギュアスケート・世界選手権女子SP)

 手応えは十分。泣き出しそうな表情を浮かべて、アリーナ・ザギトワ(ロシア)は喝采を聞いた。冒頭のルッツ―ループの連続3回転ジャンプを決めて一気に流れをつかみ、ノーミスでSP自己最高点をたたき出した。「今日の演技には、満足しています」

 ここまで苦しいシーズンを過ごしてきた。GPシリーズ2連勝と、勢いがあったのは序盤だけ。昨年12月のGPファイナルで紀平に敗れると失速し、ロシア選手権は5位、欧州選手権は2位。「私のパフォーマンスを皆さんに謝りたい」と涙を拭ったこともあった。

 「(昨季までは)期待がなかったので勝つのは簡単でした。今はたくさんの期待があって、気にしなければ」。昨年2月の平昌五輪を制したことで未経験の重圧が、16歳を襲った。

 だが、そのまま終わらせないのが女王。シーズン最終盤に立て直してみせた。「フリーもベストの演技を」。初の世界選手権の頂点が見えてきた。(吉永岳央)