(20日、フィギュアスケート・世界選手権女子SP)

 悔しさが、その行動ににじみ出ていた。紀平梨花(関大ク)は滑り終えた後、何度もアクセルジャンプを確認するような動作を繰り返した。「強気に思いすぎた」。女子SP7位の結果に表情は晴れなかった。

 冒頭のトリプルアクセル(3回転半)ジャンプ。勢いよく踏み切った。だが、空中できっちりと回転できず、1回転半になった。規定により、無得点に。その他のジャンプは出来栄え点(GOE)で加点を引き出したが、得点は伸び悩んだ。

 今季からシニアに上がり、SPから武器のトリプルアクセルを構成に入れることができるようになった。ただ、少しの感覚のズレで成否が分かれる高難度の技だ。紀平は練習から高確率で成功させているとはいえ、「いい緊張感で心は完璧だったけど、感覚が合わなかった」。本人にしか分からないごくわずかな差が失敗を招き、それが得点に大きく響いた。

 今季は国際大会6連勝中。だが、SP終了時点で首位だったのは2大会しかない。昨年11月のNHK杯、今年2月の四大陸選手権はSP5位から、逆転優勝を果たした。今大会、SP首位のアリーナ・ザギトワ(ロシア)とは11・18点差。紀平はフリーでトリプルアクセルを2本入れる予定で、「ここまで本当に色んなことを修正してきたから、修正すればできる。やるしかない」と前を向く。

 17歳で初優勝した浅田真央をしのぐ、日本勢最年少の16歳での世界女王へ。まだ、諦めていない。(大西史恭)