東日本大震災から8年を迎えた11日、エディオンアリーナ大阪であった大相撲春場所2日目で福島市出身で大震災で被災した兄弟関取、荒汐部屋の若元春(25)と若隆景(24)が、十両でそろって白星を挙げた。

 震災が起きたのと同じ午後2時46分ごろ、若元春が先に花道から土俵に向かった。安美錦を寄り倒して十両昇進後の初白星を手にした。5番後に土俵に上がった若隆景も、負けじとばかりに旭秀鵬を寄り切って初日から2連勝を飾った。

 長兄は現幕下でこの日は取組がなかった若隆元(27)で若元春が次男、三男が若隆景の3兄弟。本名が「大波」であることから「大波3兄弟」と呼ばれる。若元春がこの春場所から十両に上がり、大相撲史上20組目の兄弟関取となった。

 震災が発生した当時、若元春と若隆景は母校の学法福島高で授業中だったという。「3・11のことは忘れないように胸にとどめている」と若元春。若隆景も「(今日の土俵で)気持ちはいつも通りだったが、あの日のことは覚えている」と振り返る。発生数日後から、長兄が所属する荒汐部屋で1カ月ほど一緒に避難生活を送り、これが入門するきっかけとなった。

 節目の日に、新十両として初勝利を挙げた若元春は「個人的にはうれしい」と控えめに喜びつつ、被災地への思いも語った。「その日のことばかり考えていたら、その日で止まってしまう。相撲もそうですが、前に前に。被災された人たちも先に先に気持ちが進んでいけたらいいと思う」。

 この日、若隆景も思いを新たにした。「津波や原発で被災された方々がたくさんいる。自分ができることは活躍することしかない。(地元の)期待に応えられるように一生懸命に相撲をとりたい」(甲斐弘史)