3日午後、第32回リードジャパンカップ(松山下公園総合体育館=千葉県・印西市)の決勝が行われ、女子は野口啓代が7度目の優勝。男子は藤井快が国内リード種目初の栄冠に輝いた。

 先に行われた女子決勝は、昨年大会(日本選手権リード競技大会)で優勝を争った2人がまたも激しい戦いを繰り広げる。5人が競技を終えた時点での最高高度は田嶋あいかの32だったが、6番手に登場した森秋彩が記録を伸ばす。筋力アップへの取り組みを行なっている成果の現れか、力強い登りを披露して傾斜が強い終盤になっても持ちこたえると、TOPに手を伸ばす40+をマークして暫定首位に立った。

 7番手の野口は、中間部で手間取るも着実に高度を上げていき、終盤の強度の高い難所を何とかこらえて森が確保した高度40のホールドに辿り着く。次のムーブを起こしかけたところでフォールとなったが、+の判定がついて森と並ぶ結果に。前ラウンドの成績で順位を決めるカウントバックが適用され、準決勝2位の野口が同3位の森を抑えて通算7度目の戴冠となった。3位には準決勝まで全完登で首位だった平野夏海が入り、今年のジャパンカップ3種目制覇に期待がかかった野中生萌は7位に終わった。

野口と同高度ながらカウントバックで2位に終わった森秋彩。

通算7度目の戴冠となった野口啓代。

 一方の男子決勝では、準決勝と同じく1番手で登場した楢崎明智がいきなりTOPに迫る38+をマークする。後続の選手がこの記録を超えられない中、5番手の藤井が安定した登りを見せる。ゴール獲りの体の振られにも耐え、見事TOPを手中に収めた。そして予選首位、準決勝3位で好調の清水裕登が高度40に留まったことで藤井が首位のまま最終競技者の楢崎智亜を迎える。

 代名詞となった迷いのないハイペースな登りでみるみる高度を上げていくと、一気にゴール手前まで到達。しかし勢いよく飛び出したことが災いしてか、左手でTOPを掴む際の右手が抜けてしまい無念のフォール。この瞬間、藤井の国内リード種目の初優勝が確定した。3位には清水が入り、前年王者の是永敬一郎は7位に終わっている。

 これで今年のボルダリング、スピード、リードそれぞれの「ジャパンカップ」が終了。残すジャパンカップは、3種目複合のコンバインドジャパンカップ。オリンピック代表枠を獲得できる世界選手権(8月・八王子)への出場権かけた大会は、5月25、26日に愛媛県西条市で行われる。

優勝を直前で逃してしまった楢崎智亜。

リード強化を課題に挙げていた藤井がついに国内初優勝を果たした。

 

<優勝選手コメント>

野口啓代コメント
「ボルダリングジャパンカップが2位、スピードジャパンカップが3位で今シーズンまだ優勝できていなくて、4月からのW杯シーズンが始まる前に優勝して自信をつけたいと思っていたので、優勝できて嬉しいです。(2つのジャパンカップでは)表彰台には乗れていますが、優勝以外は負けなので、これを自信に変えて次に望みたいなと思っています」藤井快コメント
「決勝の課題は下部からダメージを負ってしまって、最終局面に入る前に休むことができたんですけど、そこでしっかりと休んで完登する準備ができたのがよかったです。(リード初優勝に関して)まさかという感じですね。BJC4連覇を逃して、それは仕方のないことかなと思っていたんですけど、リードにシフトしていきたいなと思っていた矢先に勝てたので嬉しく思います」

<決勝リザルト>

【女子】
1位:野口 啓代(29/TEAM au)/40+ ※準決勝1位
2位:森 秋彩(15/つくば市立手代木中学校)/40+ ※準決勝3位
3位:平野 夏海(16/私立国士舘高等学校)/34+
4位:田嶋 あいか(20/慶應義塾大学)/32
5位:中川 瑠(15/大阪府山岳連盟)/31+
6位:谷井 菜月(15/橿原市立光陽中学校)/30+
7位:野中 生萌(21/XFLAG)/26+
8位:小池 はな(13/埼玉県山岳連盟)/15+

【男子】
1位:藤井 快(26/TEAM au)/TOP
2位:楢崎 智亜(22/TEAM au)/40+
3位:清水 裕登(23/愛媛県山岳連盟)/40
4位:楢崎 明智(19/TEAM au)/38+
5位:杉本 怜(27/マイナビ)/37+
6位:是永 敬一郎(23/埼玉県山岳連盟)/27+
7位:西田 秀聖(16/私立天理高等学校)/26+
8位:田中 修太(18/新潟県立直江津中等教育学校)/25+

※左から氏名、年齢、所属先、成績

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窪田亮