2019年1月26日(土)〜27日(日)に開催された「ボルダリング・ジャパンカップ」において、KDDIの自由視点映像に注目が集まった。その映像は、「スポーツブル」内の「クライミングTV」特設ページで公開後、クライミングの新たな観戦体験として話題を集めた動画となった。

駒沢の会場内にお目見えした自由視点映像コーナー(KDDIブース)

試合会場に設置されたカメラの数は、16台。しかも自由視点用カメラは、大胆にも会場全体の至る所に設置され、オート(自動)で撮影・記録されていた。

KDDIの自由視点映像は、会場内に設置された16台のカメラでオートメーション管理されている

緻密なセッティングや技術確認について語るのは、KDDI技術チームの内藤氏。

「今回はボルダリングの日本一を決定する公式の大会ということもあり、壁面が広いのに加え、その凹凸の角度が急峻である(カメラ位置によっては死角が多い)点から、予め設置許可を頂いた16台のカメラをどこに配置するかに悩みました。関係者にヒアリングしても、クライミング競技の性格上、どの課題に注目すべきかは教えてもらえないので、覚悟を決めて中央の3、4課題分にフォーカスして、死角が生じないようなカメラ配置を採用しました。結果、すべての課題は押さえられないものの、大会としての見せどころは撮れたかなと思っています。クライミングイベントでの自由視点制作は過去に実績がありましたが、公式大会で実現することの難しさを体感しました。」

自由視点VRにより作成された楢崎選手の登頂シーン(本大会準決勝)

実際の映像をチェックすると、スポーツ観戦好きにはたまらない技術、自由視点映像を楽しむことができるものだった。観たいタイミング、観たいアングルを自分の指でスワイプするだけ。自由視点映像がスマホで体感可能だ。

先日開催された「春高バレー」でも、この映像技術は「4D (フォーディー)REPLAY(リプレイ)」という技術会社・技術チームによって実証されていた。実証は、春高バレーの試合会場内に設置された複数カメラから、実際のプレーを撮影し、撮影後およそ数分で自由視点映像を独自編集。KDDIの技術を駆使し、様々なアングルでプレーを鑑賞することを可能とした。

映像は、タイムアウトの間や、セット間にも再生できることから、選手1人1人のプレーや特徴を見つけることが可能となった。例えば、指揮官が戦術を一気に切り替え戦いを挑むような、大胆かつ、理論的な選手起用も実践可能。

さらに、バレーボールファンや春高バレーを目指す選手たちにとっても、今までにない技術確認ツールにもなったという。5G時代を見据えたKDDIの新たな観戦体験の提供、スポーツ観戦好きにとってはもちろんスポーツファン創出にも繋がるはずだ。内藤氏は、新たな映像技術へ希望を語る。

「今回、スポーツブルや会場で体験頂いたものは、4D REPLAYと同様にタイムスライス自由視点という技術を採用していました。一方でクライミング競技では壁面やホールドの凹凸を3次元的にリアルに再現することで、その迫力や高度な技術を体感することができます。つまり試合中に3Dゲームを作るような技術が必要なのですが、当社で研究開発中の自由視点VRがこれに対応します。ライブ視聴についてもプロ野球では既に実績があるので、5Gの商用サービスが始まる2020年にはボルダリング観戦に使えるよう推進したいです。」

自由視点VR映像について解説する内藤氏

「ボルダリング・ジャパンカップ」におけるKDDIの自由視点映像は、新たなスポーツの側面や魅力を大いに表現した。

取材・文/スポーツブル編集部

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