(8日、フィギュアスケート・四大陸選手権女子フリー)

 女子ショートプログラム(SP)5位から逆転優勝した紀平梨花の勝因は、フリーで得点源となる冒頭の2本のジャンプを確実に決めたことだ。

 成功させたのはトリプルアクセル(3回転半)と、続く2回転半―3回転トーループ。フリーで自己ベストを出して優勝した昨年11月のNHK杯では3回転半―3回転トーループ、単独の3回転半の構成で、今回の方が基礎点は4・70点低くなる。だが、左手薬指を痛めるなど不安を残していた紀平は「確実性」を選択。冒頭2本の出来栄え点(GOE)で計3・89点の加点を引き出した。

 ほかのジャンプもすべて成功させ、技術点の合計は82・74点で唯一の80点台。SP1位のブレイディ・テネル(米)、同2位の坂本花織がジャンプでミスして技術点が伸び悩み、それぞれ総合5位、同4位に終わったのとは対照的だった。

 表現力などを評価する演技構成点も70点台に乗せたのは紀平だけ。フリーの得点は自己ベストに1・58点に迫る153・14点をマークした。首位と6・58点差のSP5位から巻き返したNHK杯と同様に、5・06点差を逆転した今回。16歳の冷静な判断力が光った。(浅野有美)