2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は、表彰式でメダリストに手渡す副賞に生花を使った「ビクトリーブーケ」(勝利の花束)を採用することを決めた。東日本大震災の被災地の花も使って、復興に一役買おうとの考えだ。形状や花の調達については、国際オリンピック委員会(IOC)と調整する。

 ブーケの贈呈は14年ソチ冬季大会まで続いていたが、16年リオデジャネイロ夏季大会、18年平昌冬季大会と続けて採用が見送られた。生花が日持ちしないことや検疫などで自国に持ち帰れないことが問題視されたためで、代わりに大会マスコットのぬいぐるみや置物が贈られた。

 国内では、花卉(かき)業界が15年、猛暑のなかでの栽培に適した品種の開発や花の保存方法の実証実験を行い、ブーケの採用を組織委などに働きかけてきた。生産・流通に携わる9団体は17年に「日本花き振興協議会」を結成。被災地の農業支援も訴える。磯村信夫会長(68)は「海外の人たちにも、花で復興支援に対する感謝の思いを伝えていきたい」と話す。

 当初、陶芸品や漆芸品などを副賞に検討していた組織委は、選手が持ち帰れる記念品にブーケを添えることでIOCの了承を得た。被災地の花も使うことを検討しており、協議会からは宮城県や福島県などのリンドウやトルコギキョウを提案されている。福島県浪江町で花を生産する川村博さん(63)は「自分たちの花が東京大会に使われることは生産者の励み、勇気になる。被災地の花作りが活性化するきっかけになればいい」と話す。(榊原一生)