南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂とスキー滑降を目指し、断念したプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)が26日に帰国し、東京都内で記者会見した。今回の遠征を振り返るとともに「人類の年齢的な限界を超えてみたい」と、90歳でのエベレスト挑戦に改めて意欲を示した。

 登頂断念について三浦さんは「まだまだ(体力に)余裕はあったが、『次がある』と思い、ドクターストップを受け入れた」と述べた。三浦さんは今月10日に標高約4200メートルのベースキャンプに入り、その後、ヘリコプターで標高5580メートルまで上がって本格的な登山を始めた。だが、標高6千メートル地点で滞在中に血圧が高くなり、不整脈が出始めた。心停止する恐れもあるとの判断から、20日にドクターストップを受け、下山した。

 三浦さんは「夢のまた夢に近いが、90歳でエベレストに登りたい」と力を込めた。実現に向け、英国の登山家ジョージ・マロリーの名文句「そこに山があるから」を引き合いに出し、「僕は『年(とし)がそこにあるから』。(現在90キロの)体重を10キロ減らせば心臓の負担も少なくなる。(スキーで)がんがん滑って筋力をアップさせていきたい」と語った。

 会見には、遠征に同行したチームドクター大城和恵さん(51)と次男豪太さん(49)も同席。豪太さんとともに下山を説得した大城さんは「冷静な判断をなさったことに敬意を持っている」と振り返り、減量について「大賛成」と語った。豪太さんは三浦さんの今後について、「エベレストにつながるような道筋を立てながらの方がトレーニングしやすいのではないか。これからプランを立てていきたい」と話した。(辻健治)