昨年2月の平昌(ピョンチャン)五輪カーリング女子で銅メダルを獲得し、「そだねー」が流行語大賞となったLS北見(現ロコ・ソラーレ)の本橋麻里さん(32)が、自身初となる著書「0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方」(講談社現代新書)を出版した。23日、東京都内で会見し、「本ができて、五輪でメダルをとった次くらいにビックリした」ことがあると明かした。

 「麻里ちゃんイコール、包容力」(スキップ藤沢五月)、「みんなでコミュニケーションを取りながら強いチームになればいいね」(サード吉田知那美)――。著書の最後に、チームのメンバー4人と本橋さんの夫の「麻里ちゃんへ」と題するメッセージが「サプライズ」でつづられていた。チームの主将を務めてきた本橋さんは「(メッセージの存在を)全然知らされていなかった。チームの本になった。あったかいサプライズだった」と語る。

 著書を通して一番伝えたかったのは、「チームの温かみ」だという。チーム青森の一員として出場した2010年バンクーバー五輪後、地元北海道の旧常呂町(現北見市)に戻り、LS北見を立ち上げた。「仲間の声をちゃんと聞いて、みんなで考えて答えを出す」。そんな密なコミュニケーションを心がけた。「誰かからやれと言われてやるカーリングか、自分たちで選んでトライするカーリングかで、伸びていくベクトルが全然違う。それに気づき始めたのも(チームができて)3、4年経ってから」

 「マリリン」の愛称で親しまれてきた本橋さんも、いまは3歳児の母。育児からの学びも生かした。「私は『自分だけよければいい』という時代を経験して、でも、それでは勝てない時代もロコ・ソラーレで経験した。子育てから学んで、チームでは(相手の)行動を見てからワンクッション置いて自分の行動を移すようにしていた」

 互いを尊重し、支え合うチームをめざしてきた。仲間からの「サプライズ」のメッセージで自分の思いが仲間に通じたこと、そうした仲間に自分が支えられてきたことを改めて確認できた。

 本橋さんは現在、選手活動を「休養中」。仲間のために、将来の選手を育てるために、一般社団法人化した「ロコ・ソラーレ」の代表理事としてチーム運営や環境整備に取り組んでいる。(浅野有美)