(22日、大相撲初場所10日目)

 好事魔多し、ということか。全勝の白鵬を1敗で追っていた平幕の千代の国。この日も立ち合いは激しくぶつかったが、そこから暗転した。勢の反撃で後退。俵際でのけ反ったが、そこで左ひざがカクンと折れ、ひざから土俵に崩れ落ちた。

 顔をゆがめ、左ひざを手で押さえて土俵にうずくまった。肩をかりて立ち上がったが、車いすに乗せられて花道へ。診療所に向かう廊下では「痛い」「くそ」「なんなんだよ」と声を漏らした。

 これまで両ひざの半月板損傷やかかとの骨折など、数々のけがに泣かされてきた。場所中は連日のように治療に通うのが常だったが、「最近は治療の回数が減った。充実しています」と語っていた矢先の負傷。国技館から精密検査を受けるために病院へ向かったが、場所は残り5日もある。前日の9日目で勝ち越しを決め、今場所の主役になる可能性もあったたけに痛すぎる黒星となった。

 千代の国が敗れた一番の直後には、琴勇輝が負傷した。宝富士のいなしに崩されて土俵下に落ちた相撲で、右足を痛めた。診療所に車いすで運ばれた際には「足の感覚がない」と苦痛の表情。「(古傷がある)左ひざを(右足で)かばっていたのかもしれない」と話して病院へ向かった。

 この日は、右ひざの大けがから復活を目指している幕下23枚目の宇良も取組中に負傷した。多彩な技で土俵を盛り上げていた2017年名古屋場所で右ひざを負傷し、手術を受け、約1年間にわたって休場。最高位の前頭4枚目から一時は三段目まで落ちていた。再び土俵に戻り、ようやくという時だった。

 「僕には何もわからない」と力なく話して病院へ向かったが、古傷の右ひざ付近を痛めたとみられる。