(20日、スキージャンプ女子W杯蔵王大会)

 風と雪が舞い、試合が進むに連れて、乳白色のガスで視界が利かなくなったジャンプ台。助走路に雪が詰まり、体重の軽い高梨沙羅には厳しい条件だった。

 1回目は助走速度が平均より遅くなり、89メートルで8位に沈んだ。2回目は94・5メートルまで伸ばして6位まで順位を上げたものの、これで今回の国内4連戦は表彰台が1回だけ。3年続けて飛び慣れた国内で勝てていない。「アプローチは蔵王に来て変えたばかりなので、悪条件で崩れてしまうものしかできていない」と弱音をこぼした。

 ただ、悪条件だったこの日は割り引くとしても、勝てなくなった一因はアプローチの狂いにある。ここ3、4年かけ、ジャンプ台により力を伝えられるように助走姿勢を低く変えてきた。日本女子の鷲沢徹チーフコーチによれば、踏み切る際に自分から動いて重心が後ろになっているという。「(飛びだす時に)スキー板が立ってブレーキになっている。それが当たり前になって、自分でうまく変えられていない」と分析する。

 形状の違うジャンプ台を転戦しながら、修正するのは容易ではない。表彰台の真ん中に戻るためには、常勝だった時とは違う引き出しを持っているかが問われている。(笠井正基)