南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂とスキー滑降に挑んでいるプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)が山頂へのアタックを開始しました。ベースキャンプまで同行し、吉報を待っている記者が報告します。

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 三浦さんは現地時間の18日、ヘリコプターで標高5580メートル地点に降り立ち、約6千メートル地点に到着し、テントで宿泊した。体調は良く、酸素ボンベの酸素を吸いながら歩き、当初計画より標高差で約100メートル高く登った。心臓に持病を抱えている三浦さん。万一の事態に備え、遠征隊のメンバーとアルゼンチンの現地ガイドは、ベースキャンプ(BC)で救命訓練をしたうえで、登山に臨んでいる。

 「イチ、ニ、サン……、チェンジ!」「ウノ(=1)、ドス(=2)、トレス(=3)……」

 16日、標高4200メートルのBCの大型テント内に遠征隊7人と同行するガイド4人全員が集まった。緊迫した空気が包む。三浦さんが「心停止をしたら」「登山中に搬送が必要になったら」という想定でのトレーニングだった。

 心臓マッサージでは、メンバーとガイドが交互に30回ずつ胸を押すため、当初はかけ声を「英語に統一」という案が出た。だが、言ってみるととっさの事態では「言いにくい」となり、日本語とスペイン語でそれぞれ数えたうえで、30をカウントしたことを互いに伝えるやり方を決めた。

 三浦さんは不整脈を抱え、心臓には肥大があり、手術歴は7回を数える。次男豪太さん(49)が国内のトレーニング登山から心拍数などを常にチェック。遠征隊のチームドクター大城和恵さん(51)も今月初旬の現地入り以来、血圧の測定などを続けてきた。現在体調はよいという。