稀勢の里と相前後して入門し、新弟子が通う相撲教習所で稽古した仲の十両豊ノ島は、「外国人が強くて、日本人が活躍できない中で横綱を張って……。外国人勢を一番苦しめた。同じ時代に戦えて誇りに思う」と横綱をたたえた。

 自分は高校、稀勢の里は中学出だったが、教習所では「(稀勢の里が)日に日に見る見る強くなっていった。化け物みたいな15歳だなと思っていた」と当時を懐かしむ。のちに幕内上位で何度も胸を合わせた。

 今場所前、田子ノ浦部屋に出稽古に出向いた際、稀勢の里が「相撲ってやっぱり楽しいですよね。やめられないですよ」というのを聞いた。「本心だったと思う。本当はまだやりたかったと思います。僕ももう一度、横綱稀勢の里とやりたかった」。前夜、ラインで連絡をもらった。「お疲れさまでした」といいたくて、思わず電話をかけたという。

 記憶に残るのは、2010年九州場所だ。自分は前頭9枚目。千秋楽で前頭筆頭だった稀勢の里に勝ち、白鵬との優勝決定戦に進出した。ともに過ごした歳月は「いい財産になりました」と、感謝の気持ちもあふれてきた。