新十両、新入幕、新三役、すべて平成生まれの先頭を走ってきた。その平成はまもなく終わり、角界の平成世代を引っ張る大関高安(28)=田子ノ浦部屋=も、中堅からベテランの入り口に差し掛かる。13日に初日を迎える大相撲初場所(東京・国技館)。平成最後の東京場所で主役になれるか。

 東京都江戸川区の田子ノ浦部屋に「バチン」という衝撃音が響く。年末年始はほぼ連日、兄弟子の横綱稀勢の里と三番稽古を積んだ。2人で多い日は連続20番。元日のみが休みだった鳴戸部屋時代の慣習で、この年末年始も休日は大みそかと元日だけ。2日は三段目の力士と汗を流し、3日からは再び横綱の胸を借りて体を追い込んでいる。

 初場所で復活を期す稀勢の里にとっても絶好の稽古相手だ。「高安は出来が良い。圧力がすごい。全身が痛いよ」

 横綱に全力でぶつかって前へ前へ。若い頃に比べて番数は減っても、兄弟子との激しい稽古が本場所への下地をつくる。汗と砂にまみれながら、高安も「感触は最近1年で一番良い」と手応えを感じている。

 先場所は14日目を終えて貴景勝と2敗で並んだ。しかし、初優勝をかけて臨んだ千秋楽で御嶽海に痛恨の黒星。3横綱が不在だった場所で大関の意地は示したが、賜杯(しはい)は目前で22歳の若武者にさらわれた。

 中学卒業後に鳴戸部屋に入門し、何度も部屋から脱走した。それでも猛稽古で力をつけ、2010年九州場所で新十両に昇進。同じ1990(平成2)年生まれの舛乃山(28)=千賀ノ浦部屋=と同着で平成生まれ初の関取になった。その後も順調に番付を上げ、幕内も三役も同世代ではトップ昇進を果たした。

 一方で、これまで賜杯は手にできていない。今回の初場所で新入幕から46場所目になる。仮に優勝すれば歴代8位の遅い記録だ。昨年は名古屋場所で御嶽海、そして九州場所で貴景勝が初優勝。番付も年齢も下の力士が躍進し、優勝では先を越していった。

 元号が変わる2019年に「もう一花、二花咲かせたい」と高安は誓った。初優勝を遂げれば、その先も見えてくる。平成生まれの横綱は、まだ、いない。(波戸健一)

■新入幕から初優勝までの所要場所数

(1)旭天鵬  86場所

(2)稀勢の里 73場所

(3)琴奨菊  66場所

(4)貴闘力  58場所

〃栃ノ心   〃 

(6)豪栄道  54場所

(7)水戸泉  48場所

(8)隆の里  45場所

(9)長谷川  44場所

〃鶴竜    〃