(23日、全国高校駅伝女子)

 神村学園のカマウ・タビタ(3年)が、両手の人さし指を突き上げた。女子では鹿児島県勢として初の頂点。合言葉は「30秒差でタビタに」。5000メートルを15分台前半で走るケニア人留学生へ、1~4区の選手は思いを一つに走りきった。

 積極的な走りで勢いをつけたのは、1区を任された主将の平田歩弓(3年)だ。エースが集う区間だが、「最初がスローペースだった分、後半も食らいついていけた。タビタにいい形でつなげたいという思いだけだった」。トップと38秒差の区間6位でたすきをつないだ。2~4区の1年生も先輩に負けじと快走。トップとの差は34秒、40秒、31秒。先頭との差を広げられずにたすきをつないだ。

 有川哲蔵監督は「1~4区の選手がうまくまとめてくれた。選手たちが大舞台でこれだけ力を出してくれるとは……。本当に見事の一言に尽きます」。最終5区。5位でスタートしたタビタは中間点をこえた2・7キロ付近で仙台育英を抜きトップに立つとリードを広げ、区間最高を記録。2位の長野東に26秒差をつけた。

 「まさかタビタが1位でゴールする瞬間を見られるとは思っていなかった。ふわふわしたような感覚です」。タビタと涙を流しながら抱き合った平田は、目を赤くしながら、こう振り返った。30回目の節目の大会で、新たな歴史の1ページが刻まれた。(辻隆徳)