ラグビーのトップリーグ(朝日新聞社後援)は2日、順位決定トーナメントが行われ、上位トーナメント準々決勝の残り2試合では、トヨタ自動車がパナソニックに31―27で逆転勝ちした。1点を追う後半15分、スワートがトライを決めた。パナソニックが上位4強入りを逃すのは、5位だった2006年度以来、12季ぶり。

 神戸製鋼はリコーに63―27で大勝した。SOカーターが2トライを含む28得点を挙げた。

 8日の準決勝は、神戸製鋼―トヨタ自動車、サントリー―ヤマハ発動機の組み合わせ。

■大黒柱カーター、多彩な攻撃で魅了

 大勝した神戸製鋼は元ニュージーランド代表で国際統括団体「ワールドラグビー」が選ぶ年間最優秀選手に3度輝いたSOダン・カーター(36)が多彩な攻撃を見せた。

 開始早々、パスフェイントを使って防御ラインの裏へ抜け出し、先制トライ。前半終了間際には中央付近から右タッチライン際の広大なスペースを狙ったキックパスで好機を演出。連続攻撃となり、最後は再度球をもらってインゴールに飛び込み、この日自身二つ目のトライを奪った。

 難しい角度からのゴールキックも次々と決め、1人で計28得点。相手の裏をかくパスで味方のトライも生み出すなど、司令塔としての存在感も示した。本人は「臨機応変にできた」と簡単に振り返ったが、リコーのナンバー8松橋は「プレッシャーをかけたかったが、振り回された」と嘆くしかなかった。

 誰よりも高い技術を誇りながも全体練習後は居残り、納得できるまでキックの調整に余念がない。相手への対策、体調管理も含めて「試合に向けての準備、過ごし方が抜群に素晴らしい」とチームメートは口をそろえる。

 母国でオールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)に選ばれた人間は「周囲から憧れられる存在でなければならない」と常に肝に銘じてきた。注目を浴びるだけに「地に脚をつけて生きる」とも。その人間性も愛されるゆえんだ。

 大黒柱が活躍し、15季ぶりの優勝へ期待は膨らむが、「優勝は誰もが目指すものだが、まずは次の試合を考えたい」とカーター。次戦、準決勝となるトヨタ自動車戦だけをみている。(有田憲一)