26日、大相撲の横綱審議委員会で、9委員の全会一致で決議された異例の「激励」。温かみのある言葉だが、込められた意味は重い。

 定例会合後の記者会見で、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)が言った。「ファンの失望は大きい」

 稀勢の里は、長期休場明けの秋場所で10勝し、周囲に完全復活への期待感を抱かせた。九州場所は目標を「優勝」と言い切って臨んだ。それが惨敗に終わった。昇進後の通算成績は、36勝32敗97休。日本出身横綱への期待を繰り返してきた北村委員長からも、「長期にわたって力量を示せていない」と突き放すような言葉が出た。

 横審の心変わりが決議に反映された形だ。内規には他に「注意」「引退勧告」があり、「激励」は最も軽い。ただ岡本昭委員(岡安証券最高顧問)は「今、『けしからん』と言ったらおしまい。言えないよ。言いたいけどな」と「激励」にとどめた心情を吐露した。「横綱の進退は強制されるものではない」という趣旨の声も複数あった。