(16日、フィギュアスケート・ロシア杯女子SP)

 手応えは十分。それでも、ことさら喜ぶことはない。ノーミスで演技を終えたアリーナ・ザギトワ(ロシア)はただ、貫禄と自信をたっぷりと含んだ穏やかな笑みで歓声に応えた。

 平昌五輪の金メダリストとはいえ、まだ16歳。自身初となる地元ロシアでのGPシリーズに不安がなかったわけではない。「今日の朝は、いろいろと考えてしまいました」

 流れをつかんだのは、冒頭のルッツ―ループの連続3回転ジャンプだった。前回のフィンランド大会では、二つ目が1回転になるミスを犯した鬼門。だが、この日は完璧な着氷で1・94点の出来栄え点(GOE)を引き出す。「プログラムを楽しめた」と言う通り、その後のジャンプも全て加点を得ると、スピンとステップは全て最高のレベル4の判定だ。

 「大事なのはクリーンなスケートをすること。気持ちのこもったハートのある演技を届けること」。今季世界最高点にも、女王は涼しい顔。得点よりも、納得の演技を地元で披露できたことにこそ充実感がある。

 シニアデビュー2年目ながら、GPシリーズはファイナルを含めてここまで4戦無敗。「練習からたくさんのファンが会場に来てくれて、温かい声援に感謝しています。明日(のフリー)も頑張れそう」。2位との差は13点超。5連勝は目の前だ。(吉永岳央)