悪質タックル問題で今季公式戦の出場資格停止処分を受けた日本大アメリカンフットボール部が、再起への道を歩み始めている。指導者に絶対服従だった体質を反省し、今は選手がチーム方針を決める。17日、社会人のチームと、処分後初の対外試合となる練習試合を横浜市内で行う。

 約80人の選手が集まった13日夜のグラウンド。試合に向けて練習の真っ最中だった。タックル問題で部を一時離れた宮川泰介選手(3年)の姿もある。チームは代替わりし、3年生が最上級生に。チームに残った約10人の4年生は練習サポートにあたっている。

 練習前には来季の幹部候補選手ら3年生12人が、チーム方針を決める「リーダー会議」で、9月に就任した橋詰功新監督(55)と30分話し合う。対外試合の相手や試合日の調整法まで、監督の助言を受けながら学生主導で決めていく。

 当初は30分の練習メニューさえ決められなかった。指導者任せだったからだ。今は違う。攻撃陣のミーティングでは、一新した戦略、サインに「こうした方がもっといい」と監督に意見する選手も。橋詰監督は「『好きなように』と言えば、『こうしたい』と言ってくる。意外にやれている」と話す。昨季は話し声一つ聞こえなかったというグラウンドで、悲壮感を漂わせる選手はもういない。

 チームは処分が解除されれば、来季は下部リーグで戦い、1部復帰は早くて2年後の2020年。2年生の主力選手は「1年生で甲子園ボウル(全日本大学選手権決勝)に出た。次は4年生の時に出るのが目標。変わることに違和感を覚えることもあるけど、自分が成長するため甲子園で勝つため今を頑張りたい」と話す。(榊原一生)