お金がなくても、めげません――。2020年東京五輪にむけてスポンサーの支援などが活況な夏季競技と違い、冬季競技の多くは懐事情が厳しい。ただでさえ関心が低いのに、今季は平昌(ピョンチャン)五輪の翌シーズンのためなおさらだ。選手たちはあの手この手で活動費を工面している。

■ジャンプの成長株「ニートになるかも」

 ノルディックスキー・ジャンプ男子の成長株、中村直幹(なおき、22)は17日に開幕するワールドカップ(W杯)の序盤戦のメンバーに初めて選ばれた。東海大4年生で卒業後も競技を続けるが、就職先は14日の渡欧時点で未定だ。「就職活動をしている状態で11月もやろうと思ったのですが、遠征があって……。ニートになるかも知れないです。W杯でアピールしたい」と、切実な思いを口にする。

 大学生の就職状況は「空前の売り手市場」といわれるものの、マイナー競技のジャンプを社会人でも続けられる選手は多くない。この世代で国内トップレベルの中村はこれまで、経営者と面談して売り込んだり、講演でアピールして就職先を探したりしたが、内定には届いていない。

 W杯の遠征費もおぼつかない。全日本スキー連盟から強化指定されている。だが、3ランクあるうちの最下位。補助は100%は出ないので持ち出しが多く、個人で集めた支援金約200万円は夏で使い切ったという。今冬の遠征ではホテル代などで「1週間に数十万円かかる。学生には厳しい」と、ため息は深い。

 そこで、クラウドファンディング(https://greenfunding.jp/allez-japan/projects/2526)で目標額を30万円に設定して呼びかけたところ、14日午後2時時点で18万円が集まった。ただ、今月末までに目標額に達しないと、支援金は手にできない仕組みだという。「大学生なので親に頼るわけにはいかない。W杯で賞金を稼ぐか、自分で何とかしないといけない」

 一方、ボブスレー日本代表で元消防士の佐々木達也(25)はこの夏、個人向けのトレーニングジムを地元の広島市内に開いた。4年後の北京五輪出場にむけて安定した活動資金を得るためだ。しかし、営業のノウハウは乏しく、「この冬を乗り越えられるか」と不安は尽きない。