「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

鈴木 彩隼 すずき・あやと
浜北西高→静岡産業大
投手・右投右打・180センチ76キロ
1995年7月16日生(23歳)

 

 兄は中日に2013年のドラフト1位で入団した右腕の鈴木翔太。一方で弟の彩隼は「兄と比較されたくない」と思うことは多かったという。

 中学時代は後藤武敏(DeNA)らを輩出した浜松リトルシニアに所属したものの、控えの内野手。高校は「兄と同じところに行くのは嫌だった」と地元の公立校である浜北西高に進学した。1年秋から投手に転向し、2年秋からエースを務めたが、最後の夏は2回戦で韮山高に打ち込まれ4対7で敗れた。最速でも130キロほど。静岡産業大進学のきっかけも「友達が行くから」というものだった。

 しかし入学後に肘を上げるようにすると球威が向上。勢いを増すボールとともに、野球に取り組む意識も徐々に向上していくと、2年春には完全試合を達成し、3年春には5勝を挙げてベストナインを獲得するなど静岡学生リーグを代表する投手へと成長を遂げた。

 大きな武器となるのはスライダーだ。高速で曲がり幅も大きく「精度も上がってきました」と萩原輝久監督も高く評価する。ストレートも現在では最速で147キロを計測するまでになり、今年はその質を上げるように、体幹トレーニングやストレートのみで投げ込む時間を設けて磨きをかけた。「僕は上から投げているつもりなのですが自然に」とリリース時には腕が下がるが、それでも力強い球を投じるなど肩周りの柔らかさも魅力だ。

 そして、プロ入りに向けて是が非でもアピールしたい状況の中で迎えた今秋の静岡学生リーグで圧巻の8勝、防御率0.59を記録。チームをリーグ2位、東海地区大学野球選手権出場に押し上げた。
同選手権では惜しくも敗退となったが、萩原監督は「春よりも球の質を上げましたし、目標を力にしてたくましく投げてくれました」と労った。

 今では「兄に追いつき追い越したい」と力強く話すまでになった伸び盛りの右腕は、その成長の加速度を上げていく一方だ。

文・写真=高木遊

TBSテレビ「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」番組公式サイト
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