ここをしのげば、世界の頂点だ。試合終了まであと5秒。池透暢(ゆきのぶ)さん(38)は車いすを走らせ、ボールを懸命に追う。

 車輪を巧みに操り、相手のパスコースを遮る。「ガシャン」。車いす同士がぶつかる衝撃音が響いた。丸太のような池さんの右腕がわずかに速い。ボールははじかれ、試合終了。車いすラグビーで日本が初めて世界一になった瞬間だ。

 主将の池さんは日本代表を率い、8月の世界選手権で初優勝した。決勝で破ったオーストラリアはリオデジャネイロ・パラリンピックで金メダルの強豪。2年後の東京開催を見据え、「世界一になり、本当に自信がついた」。