6月のコンバインドジャパンカップ準優勝、8月のアジア大会では4位に入った日本女子クライミング界のホープ・TEAM auの伊藤ふたば、16歳。伊藤といえば、2017年のボルダリングジャパンカップで、当時中学2年生ながら史上最年少優勝(14歳9ヶ月)を果たし、“スーパー中学生”として脚光を浴びた。この春から高校生となった伊藤だが、普段は、どんな人間なのか…。彼女をよく知る2人に話を聞いた…。

1人目は、伊藤の素顔をよく知る1つ年上のクライマー・曽我綾乃さん。伊藤自身も「ずっと笑っていられる大切な友達」と話す幼馴染のような間柄だ。

2人の出会いは6年前、伊藤が小学4年生、曽我さんが5年生のころだ。「ふたばちゃんはまだクライミングを始めたばかりだったので、今みたいな爆発的な強さではなかったんですけど、岩手(伊藤の地元)と埼玉(曽我さんの地元)で家が離れていて、大会でしか会えなかったんですけど、大会ごとにどんどん強くなっていくなという印象でした。」

クライミングの大会で一緒になる機会を重ねることで、次第に親友と呼べる仲になっていったという2人。今では普段からラインで連絡を取り合い、予定が合えばプライベートでも2人でランチをしたり、買い物に出かけたりしているという。「遊ぶときは新大久保でコスメを見たり、原宿とかでプリクラを撮ったり…。写真を撮るときは、いつもふたばちゃんは前髪を気にしています(笑)私の1個下なんですけど、いつも私にメイクしてくれたり、とにかく女子力高めなんです。」

ちなみに伊藤の好物は、チョコレート菓子とのこと。大会でもプライベートでも常にチョコレートを持ち歩いているそうだ。
「この前のジャパンカップで、私があまり調子が良くなくて予選落ちしてしまったときに、ふたばちゃんが突然チョコレートを持ってきて、これ食べて元気だしなって言ってくれて…。パッケージがゴールドのやつとかいろんな種類あって。『ゴールドあげるから』みたいな感じで私を慰めてくれたんです。落ち込んでいたんですけど、チョコレートをもらって元気が出ました(笑)」

「前は同じくらいの実力だったんですけど、今はだいぶ先にいっちゃったので、私も今後追いつけるように同じ舞台で戦えるように頑張りたいと思っています。」

続いて2人目は、現在ユース日本代表のヘッドコーチを務める西谷善子さん。4年前から伊藤の指導に携わり現在も、練習メニューなどのアドバイスを送っている。

「初めて会ったときは、背が高くて大人びた感じだったので、高校生くらいだと思っていて、何歳なの?と聞いたら小学6年生と聞いて、驚いた記憶があります。ボルダリングは強かったんですけど、リードは施設が岩手にあまりなかったので、慣れてないなという印象でしたね。」

当時、小学6年生にして高校生ともとれる体つきと雰囲気を醸し出していたという伊藤。あれから4年が経ち、今では世界で活躍するトップクライマーとして注目されるほどに成長した。西谷コーチはその要因として彼女は他の選手にはない、ある長所を持っていたと話す。
「見てくれが最近の子なので、飽きやすかったりするのかなと思って見ていたんですけど、やると決めたトレーニングに対して、きちんとコツコツ頑張れる。岩手(伊藤の地元)には、施設もトレーナーさんも全然充実していなくて、ふたばちゃんは、私たちが与えた練習メニューを、市の体育館に1人で行ってコツコツ練習をしていたそうなんです。なかなかその年代でやると決めて本当にできる子というのは少ないと思うし、彼女が練習する姿を見ていても、何を目的でやらないといけないのかというのを理解してやっています。」

例え恵まれた環境ではなくても、与えられたトレーニングメニューに対し、怠らず、1人で練習に励んでいたという伊藤。現在は、西谷コーチを含めた国立科学スポーツセンター(JISS)の指導員や栄養士とタッグを組み、「シニアで勝てる体づくり」を目標にトレーニングに励んでいるという。

では、伊藤ふたばとは、どんなキャラクターなのか。西谷コーチが言うに “人懐っこい性格”で、初めて伊藤と絡んだのも、彼女から話をしようと寄ってきたきっかけだった。

「試合でも普通の選手なら初めて代表になったときは、萎縮してしまってなかなか他の子たちとコミュニケーションを取れなかったりするんですけど、ふたばちゃんの場合は、誰に対してもフレンドリーに接することができるので、物怖じせず海外の選手と話したり、誰彼構わず積極的にコミュニケーションをとっていけるのが、ふたばちゃんのいいところだなというふうに思っています。」

シニア1年目の今シーズン。ボルダリングワールドカップでは全7大会で決勝に進んだのは第5戦八王子大会の1度だけ。表彰台には1度も上がることが出来なかった。西谷コーチは彼女の将来について、こう話している。「伊藤ふたば自身、野口啓代を尊敬してやまないので、将来は野口選手みたいなトップ中のトップを目指してやっていってほしいです。まだまだ伸びしろはあるので、野口さんが引退したときに、ふたばちゃんが日本を牽引していけるような選手になっていってほしいなと、実力的にも人としてもそういうふうに育っていってほしいなと思っています。」

第一人者・野口啓代に憧れを抱く16歳、伊藤ふたば。彼女が抱く夢とは…。
「ワールドカップ、世界選手権で優勝して、絶対的に強い選手になっていきたいです!!そして、カッコいいクライマーになりたい!私のクライミングで会場が大きな歓声で沸くように注目してもらいたいです。」

【一問一答】

Q.好きな食べ物は? A.ガトーショコラ♪
Q.趣味は? A.洋服を見ること
Q.好きな芸能人は? A.渡辺直美さん(メッチャ会ってみたいです)
Q.休みの日は何をする? A.いーーーーっぱい寝ます(笑)
Q.好きな言葉は? A.好きこそものの上手なれ
Q.ヒーローは誰ですか? A.クライミングを始めたころから野口啓代選手です。
Q.宝物は? A.クライミング
Q.生まれ変わったら何になりたい? A.猫!!のんびり過ごしたいです(笑)
Q.最近ブルッたことは? A.膝をアジアンゲームズでケガしてしまい、世界選手権に出場できなかったのはすごく悔しくで、怪我した自分に「怒」です

■伊藤ふたば
2002年4月25日生 身長160cm
岩手県出身 TEAM au 所属
コンバインドジャパンカップ2位
第13回 ボルダリング・ジャパンカップ3位

■TEAM au
TEAM au は、日本におけるスポーツクライミングを、子どもから大人まで多くの人が楽しめるメジャーなスポーツとして発展・普及させるべく結成されました。チームメンバーは、すでに国内外の大会で輝かしい実績を残し、世界の頂点をねらう実力派クライマーで構成されています。2016年8月、TEAM auは、文字通り“壁を越える”為の最初の一歩を踏み出しました。今後は、クライミングを愛する全ての人とともに、様々な活動を通じて日本のスポーツクライミングシーンを牽引し、盛り上げていきます。

詳しくはこちらhttps://climbing-au.jp/