日本開催のラグビーワールドカップ(W杯)まであと1年。三つの試合会場がある九州にはラグビー人気の高い欧米豪から多くのファンが足を運ぶ見通しだ。九州への観光客は韓国や中国が圧倒的だが、観光関係者は「欧米に九州を売り込むチャンス」ととらえる。

 九州有数の温泉地、大分県別府市。今月18日、青い温泉がわき出る人気の観光地「海地獄」に2人の外国人の姿があった。

 イギリス人のトム・ローズビアさん(33)とオーストラリア人のネイサン・イーデンさん(39)。東京や長野在住だが、九州のことはよく知らないという。

 赤や青の泉と白い湯煙のコントラストを目にしたローズビアさんは「本当に人工池じゃないの?」とため息。「九州はユニークな観光地がいっぱいあるね。イギリスに紹介したい」

 2人は6日間かけて、熊本県の阿蘇や宮崎県の高千穂などを回った後、自国のラグビー情報サイトで紹介記事を配信する。呼んだのは九州運輸局。外国人ブロガーらを招き、SNSなどで発信してもらう取り組みだ。今年はW杯を見すえ、ラグビー人気の高い欧米豪への発信を増やした。

 いま九州の観光関係者は欧米豪へ熱い視線を送る。

 九州の自治体と経済界は7月、フランス・パリで開かれていたジャパンエキスポに九州の観光地を紹介するブースを出した。

 試合会場やキャンプ地のある大分県も、昨年から観光担当者をイギリス、フランス、オーストラリアに何度も派遣している。試合と試合の合間に回れる大分の観光地を売り込む狙いだ。

 九州はアジアに近い。海外の観光客の97%は韓国や中国などアジアから。逆に欧米豪への売り込みには手が回っておらず、それらの国で九州の認知度がいまだに低いという課題がある。