法大対明大の1回戦は、両者一歩も譲らない好試合の末に、3対3の引き分け決着となった。両校ともに攻守で執念を見せ、同点でゲームセット  秋初戦を迎えた明大と15年秋以来となる開幕カードで勝ち点を挙げた法大の対戦。試合は初回から両先発が小気味の…

法大対明大の1回戦は、両者一歩も譲らない好試合の末に、3対3の引き分け決着となった。

両校ともに攻守で執念を見せ、同点でゲームセット

 

 秋初戦を迎えた明大と15年秋以来となる開幕カードで勝ち点を挙げた法大の対戦。試合は初回から両先発が小気味のいい投手戦となり、2年連続で大学日本代表に選出された明大の先発・森下暢仁(3年・大分商)が立ち上がりから伸びのある直球に切れ味鋭い変化球を交えて3回をノーヒットに抑えると、昨夏のU-18日本代表メンバーで前週の早大戦で9回3安打1失点の完投勝利を挙げた三浦銀二(1年・福岡大大濠)も140キロ台中盤から後半のストレートで明大打線を3回まで1安打で無失点に封じ込めた。

 先手を奪ったのは法大だった。4回表1死から2番・小林満平(4年・中京大中京)がチーム初ヒットとなる右中間を破る3塁打を放つと、続く3番・向山元哉(3年・愛工大名電)がサードの頭上を越えるタイムリーで1点を先制。さらに続く5回表に1死1、3塁から、小林が今度はサードへのタイムリー内野安打で1点を追加。2点のリードを奪った。
 一方、中盤も快調なピッチングを続けた法大・三浦に為す術がなかった明大だったが、7回裏にようやくチャンス到来。ヒットと死球などで1死1、2塁とすると、次打者の初球にダブルスチールを決めて2、3塁。2死となったが、代打・内山竣(3年・静岡)がしぶとく1、2塁間を破る2点タイムリーを放って同点に追い付いた。

7回裏、明大がワンチャンスをものにして同点に追い付く

 ワンチャンスで同点に追い付いた明大は、続く8回裏に2死から渡辺佳明(4年・横浜)のこの日3本目のヒットを放つと、逢澤崚介(4年・関西)も続いて1、3塁とし、4番・越智達矢(4年・丹原)がレフト前へ勝ち越しタイムリー。だが、執念を見せる法大は直後の9回表、代打・吉岡郁哉(4年・智辯学園)が出塁した後に代走・斎藤卓拓(4年・大宮西)が二盗成功し、1番・宇草孔基(3年・常総学院)がライト前へ執念の同点打。その裏、明大が2死2塁のサヨナラのチャンスを作って代打・北本一樹(3年・二松学舎大附)がセンター前へ弾き返したが、9回から守備固めで出場した船曳海(3年・天理)がファインプレーでサヨナラ阻止。3対3の同点のまま、規定により9回で試合終了となった。
 法大・三浦は100球を投げて7回を4安打2失点で9奪三振。明大・森下暢は9回を計150球で投げ切り、9安打3失点で9奪三振。ともに白星は付かなかったが、好ゲームを演出。両校ともに勝利への執念を見せる戦いぶりに、スタンドからは大きな拍手が沸き起こった。

法大の1年生右腕・三浦は7回9奪三振で2失点

■法政大vs明治大1回戦
法政大 000 110 001=2
明治大 000 000 210=3
【法】三浦、朝山、石川、菅野-中村浩
【明】森下暢-西野、氷見

◎法政大・青木久典監督
「(先発の三浦は)いいピッチングでした。(7回の)あの2点はワンチャンスをモノにされたものですし、打った内山君を褒めないといけない。(同点打の宇草は)下半身をうまく使って打った。いいバッティングをしてくれたと思います。(最終回にリリーフ登板した菅野は)マウンドでの立ち振る舞いや普段の会話も含めて良くなってきた。最後の(サヨナラ阻止の好捕を見せた)船曳は本当にファインプレーだった。チームはいい形で来ていると思います」

◎明治大・渡辺佳明(4年・横浜)
「(春に続いて)また勝ち切れなかったというのは反省しなければいけないですけど、0対2から同点に追い付いたという点では、春よりも成長していると思います。プロ志望届を出して覚悟を持ってやっている。その初戦で結果を出せた、3安打を打てたというのは良かったと思います」