西武―楽天21  7回に登板し、無失点でプロ初勝利を挙げた西武・伊藤=上毛敷島【写真提供:共同通信社】 埼玉西武のドラフト3位ルーキーの伊藤翔が、28日の東北楽天戦でリリーフ登板してプロ初勝利を挙げた。 千葉・横芝敬愛高校3年のときに最速…

西武―楽天21  7回に登板し、無失点でプロ初勝利を挙げた西武・伊藤=上毛敷島【写真提供:共同通信社】


 埼玉西武のドラフト3位ルーキーの伊藤翔が、28日の東北楽天戦でリリーフ登板してプロ初勝利を挙げた。

 千葉・横芝敬愛高校3年のときに最速147キロのストレートを投げるなどプロからも注目されていたが、ドラフト指名はされなかった伊藤。強豪と言われる大学からの誘いもあったが、「NPBへ行くには、四国アイランドリーグが近道」と徳島入りを決断。徳島では高卒1年目からローテーション投手として活躍し、16試合で8勝4敗、防御率2.18をマーク。チームのシーズン制覇に大きく貢献するばかりか、個人でも年間MVPなどにも輝いた。この成績が認められ、昨年のドラフト3位で埼玉西武入り。オープン戦では、5試合を投げ防御率1.17と結果を残し、開幕1軍入りを果たした。

 この日は、2対5と3点ビハインドの7回に登板。先頭打者を空振り三振に仕留めるも、次の打者にヒットを許してしまう。しかし、続くバッターをサードゴロダブルプレーに抑え追加点を許さず、チームに流れを引き寄せた。その裏、味方打線が相手のエース・則本昂大から4点を奪い逆転。チームがこのまま勝利したため、伊藤にプロ初勝利が舞い込んだ。

 自身初のお立ち台で「負けてはいたんですけど、僕は森(友哉)さんのミットめがけて投げるだけだったので、しっかり自分のボールが投げられた」とピッチングを振り返った伊藤。「先輩方が逆転してくれたのでうれしいです」と初勝利の味を噛み締めた。かつて「どんな場面でも腕を振れるのが、自分の強み」と語ったことがあるほど、投げっぷりの良さが伊藤の最大の武器。若き右腕の勢いは、10年ぶりの優勝へ向かうチームをより活気づけてくれるはずだ。