(21日、アジア大会第4日)

 午前中の女子100メートルバタフライ予選を終えた池江の声は弱々しかった。

 「もう体が全然動かなくて……。今までにないくらい疲れがきている」

 12日まで東京であったパンパシフィック選手権で12レース。ジャカルタへの移動を経て、1週間後に始まった今大会も午前の予選ですでに6レース目。普段は疲れ知らずの18歳も、さすがに疲労を隠せなかった。

 だから、「いかに余力を残して決勝に残れるかを考えた」。予選は57秒81。最も得意な種目で、今大会初めて2位で通過した。

 約9時間後の決勝でためていた力を解き放つ。描いたのは「前半抑えて、後半に残りの力を振り絞るイメージ」。前半50メートルは日本記録だったパンパシフィック選手権決勝より0秒64遅い26秒53。それでも、頭一つ抜け出した。残り15メートルでバテて体が浮き上がる癖を修正。パンパシでは30秒19かかった後半50メートルのタイムを今回は29秒77にまとめた。

 「コンディションに合わせ、レースプランを変えられるのが彼女の強み」と指導する三木二郎コーチはいう。勢いで突っ込んだパンパシとは違ったレース運びで、2位に1秒10差の大会新記録での優勝。目標とする55秒台には届かなかったが、56秒台前半のタイムには納得した表情も見せた。

 今大会、ライバルと呼べるような選手はおらず、自己ベストを出したい思いもある。ただ、「今は勝ち癖をどんどんつけたい」。地力の高さを示した4冠目だった。(照屋健)