2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の全国12会場のうち、唯一新設された岩手県釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで19日、完成式典が開かれた。

 釜石市内では、東日本大震災で千人余りが犠牲になり、鵜住居地区はその半数以上が集中した。この日はトップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロと地元の釜石シーウェイブスRFCの記念試合があり、試合前には全員で黙禱(もくとう)した。

 スタジアムの敷地は、津波の直撃を受けた市立鵜住居小学校の跡地。スタンドに足を運んだ木村正明さん(62)は、災害対応で学校に残った職員の妻タカ子さん(当時53)を失った。「東北の小さな町にW杯が来るのは率直に喜びたい。が、妻が身を挺(てい)して伝えようとした教訓を忘れず、世界に発信してほしい」と話した。スタジアムの近くには、木村さんの発案で「あなたも逃げて」との言葉を刻んだ祈念碑も建つ予定だ。(本田雅和)