今年は五輪と五輪の間に当たる「中間年」。12日に閉幕した競泳のパンパシフィック選手権では、選手の葛藤も感じられた。

 2016年リオデジャネイロ五輪男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(ブリヂストン)がその一人。モチベーションの維持が難しい時期に加え、思うような泳ぎができない中で17年世界選手権王者のケイリシュ(米)を迎えるのは苦しかっただろう。

 今大会は最も得意な個人メドレー2種目に出場を絞った。「自分のレースに集中したい」と周りを気にせず泳ぎ、2種目とも表彰台に立ったのはさすがだ。

 私は体調不良から02~03年に泳ぎ込みができずに休養し、そこからレース勘を戻すのに時間がかかった。

 萩野は苦しくても戦い続けている。今回は2種目ともケイリシュに敗れたが、原因は明らか。3年前からけがや体調不良などで練習が継続して積めず、大事な冬場の泳ぎ込みが十分でなかったからだ。

 ケイリシュに差をつけられたように見えても、200メートル個人メドレーの自己ベストはまだ萩野が上。そして極限状態の五輪で金メダルを獲得した経験があるのは大きな差だ。今回逃げずに戦った経験は20年に必ず活(い)きてくる。(シドニー五輪競泳代表=萩原智子)