(11日、競泳・パンパシフィック選手権女子100メートルバタフライ決勝)

 今大会8レース目の疲れはあった。女子100メートルバタフライ決勝。それでも、18歳の池江璃花子はワクワクしていた。「会場のお客さんが多くて、楽しみで」

 スタートから浮き上がった時点でパワーのある海外勢を抑え、トップに立つ。「自分の予想以上に速かった」。前半50メートルは25秒89で2位に0秒72差をつけた。残り15メートルで2位の米国選手に迫られたものの、0秒36差で逃げ切った。

 「自分の描いていたレースができた」

 複数種目に挑む池江がこだわり続けたのが、リオデジャネイロ五輪5位で最も得意なこの種目だった。シドニー、アテネ両五輪に出場した三木二郎さんが5月にコーチに就任。どの種目を優先するか尋ねると、池江は言った。

 「1(00)バタです」

 リオ五輪後1年半以上、日本記録を出せず、6位に終わった昨年の世界選手権決勝では優勝した世界記録保持者のサラ・ショーストロム(スウェーデン)に前半50メートルで1秒36の差をつけられた。

 「スタートの技術、パワーが圧倒的に不足していた」と三木コーチは明かす。懸垂など筋力トレーニングに時間を割き、体作りから見直した。

 もう一つの課題がラスト15メートルの泳ぎ。「疲れてくると体が立ち、水面ギリギリの姿勢が保てなくなる」。終盤の呼吸を減らし、体が浮き上がる回数を減らす練習をしてきた。

 表彰台の中央に立ち、涙をこらえた。「2年後の東京(五輪)も、こんな感じなのかな」。目標に一歩近づいた。(照屋健)