リオデジャネイロ五輪で2大会ぶりの銅メダルを獲得したアーティスティックスイミング(AS)のデュエットで、試行錯誤が続いている。エースの乾友紀子(27)=井村ク=の相方が固まらず、井村雅代ヘッドコーチ(HC)は8月のアジア大会に向け、新たに吉田萌(23)=ザ・クラブピア88=を起用。それまで組んでいた中牧佳南(26)=井村ク=が引退の意向を示すなど異例の事態となっている。

 「1人の選手が辞めるのは非常に残念ですけど、長い目で見たらこの選択しかなかったと思っている」

 2日の代表合宿公開後、井村HCは苦しい胸の内を明かした。

 リオ五輪後、乾と組んでいた三井梨紗子(24)が引退。井村HCはペアを固定せず、中村麻衣(29)と中牧の3人態勢を組んできた。ただ、昨年7月の世界選手権で4位に終わったのを最後に中村が引退。今年4月の日本選手権では中牧と乾が組んだが、井村HCの表情はさえなかった。

 「中牧を10月から見ていて、この伸び率でいいのかな、と。このまま2020年までいっていいのか疑問に感じた」

 日本選手権後のカナダオープンで吉田を試し、アジア大会は吉田でいくことを決めた。井村HCは中牧に「チームで必要な選手。チームで頑張ってほしい」と話したものの、「もう頑張れない」と代表を辞退したという。

 新たにペアを組む吉田は身長168センチ。手足の長さに加え、音感にも優れている。井村HCは「技術が高い選手はほかにもいるけど、デュエットのパートナーなら吉田しかいない」と抜擢の理由を語る。リオ五輪後、3人目の相方と組む乾は「何も心境に変化がなかったといったらうそになるが、またここからスタートだと思ってやっている。しっかり前を向いて、頑張りたい」と話した。(照屋健)