株式会社ヤスダグループが昨季までメインスポンサーを務めたレアル・ソシエダードに対し、多額の債務を負っているとクラブの地元…

株式会社ヤスダグループが昨季までメインスポンサーを務めたレアル・ソシエダードに対し、多額の債務を負っているとクラブの地元紙ノティシアス・デ・ギプスコア電子版が9日に報じた。

ヤスダグループは23年10月、Rソシエダードと1年延長オプション付きの2年間のメインスポンサー契約を締結していた。しかし3年目を迎えた今季、延長オプションを行使せず、今年7月に5年間の戦略的パートナーシップ契約を結ぶことで合意した。

この新契約により、ヤスダグループはこれまで務めていた胸スポンサーを下りることが決定。今後はRソシエダードの日本での事業拡大および、ヤスダグループがRソシエダードのメソッドを生かしながら日本でのさらなる成長を目指し、両者がすでに日本で実施している人材育成や教育などの計画の安定化に力を入れることが伝えられていた。

この状況を受けてRソシエダードは8月、新たにバグダディ・キャピタルと3年間のメインスポンサー契約を締結した。同企業は国際金融業界で30年以上の経験があるシリア出身のスペイン人実業家バイハス・バグダディ氏によって23年に設立された、100%スペイン資本のグローバルなファミリーオフィス。スペイン、アメリカ、イギリス、アイルランドで事業を展開しており、20億ユーロ(約3400億円)以上の資産を運用し、各企業のニーズに合わせた資金調達ソリューションなどを提供している。

Rソシエダードとの契約を継続するヤスダグループだが、同紙によると多額の債務があるという。Rソシエダードは10日に株主総会を開催する予定だが、それに先立って株主に提出した報告書によると、ヤスダグループは同クラブに対し、1340万ユーロ(約24億1200万円)の債務を負っているとのことだ。

報告書によると、Rソシエダードはこの金額が支払われる可能性に関して、「回収に影響を与える大きなリスクがある」と何らかの問題があることを指摘しながらも、今夏のプレシーズンに実施した日本ツアーの費用をヤスダグループが支払った事実を受け、「将来的に債務の一部または全額の回収を容易にする可能性のある活発な商業取引の存在を示している」と、未払いの回収に向けてポジティブに捉えていることを伝えていた。

ヤスダグループはヴィッセル神戸とともに主管になっていた、今年7月のバルセロナの日本ツアーでも未払いの問題があった。これによりヴィッセル神戸戦が中止になるところだったが、最終的に楽天グループがその代金を肩代わりすることで開催されていた。

(高橋智行通信員)