正遊撃手を奪って、20発宣言だ! ソフトバンク野村勇内野手(29)が7日、福岡・大野城市内で開催された野球教室に参加し、…
正遊撃手を奪って、20発宣言だ! ソフトバンク野村勇内野手(29)が7日、福岡・大野城市内で開催された野球教室に参加し、地元野球チームに所属する中学生約150人に指導を行った。今季は自己最多の126試合に出場。打率2割7分1厘、12本塁打、40打点、18盗塁をマークし、キャリアハイをことごとく更新した。来季目標に自身初の「20本塁打」を設定した。
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野村の一挙手一投足に、周囲の少年少女たちは目を輝かせ、夢中になっていた。野球教室の最終盤。サプライズが待っていた。守備の実演だ。遊撃に就き、本多内野守備走塁兼作戦コーチのノックを受けた。軽快な動き、華麗なグラブさばき、捕球から素早く一塁へのランニングスロー。二塁に入った川瀬とは息のあった併殺プレーも見せる。羨望(せんぼう)のまなざしを集めるプレーヤーへと成長。さらなる飛躍を期す来季の目標を問われ、シーズン20発を宣言した。
「目指せるところやと思うので。20発を打ててくると、他の二遊間(の選手)と差はつけられる。しっかり狙っていきたい」
現実味ある数字だ。今季は自己最多の126試合に出場した。打率2割7分1厘、12本塁打、40打点、18盗塁をマーク。ことごとくキャリアハイを更新した。さらにポストシーズンでは計3アーチを描く活躍ぶり。日本ハムとのCSファイナルで2発、阪神との日本シリーズ第5戦で日本一を決定づける1発も放った。
「(自分は)ホームランを打つことができる二遊間やと思う。そういうところで勝負していきたい」
長打力を武器に定位置の座をつかみ取るつもりだ。オフに突入し、小久保監督は今宮と野村のレギュラー争いを明言した。「やっと来年勝負できるところまで来たかという感じ。今まではそこのラインにも立てていなかった」。社会人卒のプロ4年目。来年で30歳を迎え、堂々とベテラン名手に挑戦状をたたきつけた。ショートで100試合以上に出場し、20本塁打到達となれば球団ではダイエー時代の98年井口資仁以来の快挙となる。
昨年は今宮の自主トレに参加するも、今オフは単独で行う。シーズン中に山川から伝授されたインパクトポイントを極端に前へする「究極の前さばき」の精度を高める予定だ。「これをどう改良していくか。長所をもっと伸ばす感じです」。手応えをつかんだ打法をベースにバットを振り込んでいく。
内野全ポジションを守れるが「ショートで開幕スタメンを取れるように。来年は本当に勝負になると思うので」。今年限りの“1発屋”になるつもりはない。強い決意をにじませ、遊撃バトルに臨む。【佐藤究】
◆遊撃手の20本塁打以上 過去にソフトバンクで記録したのは63年小池兼司、98年井口忠仁(後に資仁と改名)の2人のみ。小池は遊撃手で147試合出場して22本塁打。井口は134試合出場して21本塁打をマークしている。ちなみに遊撃手のシーズン最多本塁打は85年宇野(中日)の41本塁打。