来年3月のWBCを前に、このほど侍ジャパンが韓国と強化試合を行い、1勝1分けだった。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏…
来年3月のWBCを前に、このほど侍ジャパンが韓国と強化試合を行い、1勝1分けだった。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏が目に留まった侍戦士に言及。投手では中日・金丸、野手では阪神・森下、広島・佐々木の名前を挙げた。
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投手で目に留まったのは2戦目で先発した金丸だ。3回3失点で、本人にとっては不本意な結果だったと思うが、ボール自体はとてもいい球を投げていた。真っすぐのスピードも150キロ出ていたし、むしろシーズン中よりも速かったぐらいじゃないかな。シュート回転もないし、右打者の内角にもしっかりと投げ込むことができていた。
もったいなかったのはチェンジアップ。精度が良くなかったね。まだ本人も模索しているみたいだけど、全部ボールからボールになっていた。これがストライクゾーンから落ちるようにならないと、打者はなかなか振ってくれない。ストライクも取れるし、勝負球にもなるのが理想。この球が決まるようになれば、来年のWBCでもメンバー入りする可能性はある。
シーズンではいい投球していても打線の援護に恵まれず、なかなか勝てなかった(2勝)けど、防御率は2点台(2・61)だったし、さすがというものを見せた。真っすぐは球威があるし、コントロールも内と外をしっかりと投げ分けられるものを持っている。何よりも左で150キロを投げられるのは魅力。もう少し変化球の精度を高めていければ、来年は2桁勝利も狙っていけるんじゃないかな。大学生の時にも侍ジャパンに選出されたぐらいだから、これからも何度も侍ジャパンに選ばれるだろう。
打者に関しては広島の佐々木が良かったね。振り抜きのいいスイングをしていたし、韓国投手の速い球もしっかりと打ち返すことができていた。もう一人が阪神の森下。2戦ともスタメン出場でコンスタントに結果を残した。狙い球を絞り、躊躇(ちゅうちょ)することなく思い切ったスイングができていた。WBCでも侍ジャパンの中軸として十分に期待できる。
センターの守りも問題なかった。もともと右翼の守備でも打球の落下地点にいくスピードは速いし、肩も強いからね。センターって広い守備範囲が求められて難しいと思っている人がいるかもしれないけど、実は右翼や左翼よりも易しい。投手の投げる球やコースを正面から見ることができるので、打球方向を判断したり、飛んでくるコースも予測しやすい。チームにとっても森下がセンターを守ることで、攻撃のバリエーションが広がるメリットがある。
WBCではメジャーでプレーする選手が入ってくるので、今回の韓国戦で選ばれたメンバーはチャンスが限られてくるだろうけど、こういう国際舞台をどんどん経験して、自身の成長への糧にしていってもらいたい。