阪神が来季の新外国人補強第1弾として、パイレーツのカム・デバニー内野手(28)獲得に動いていることが17日、分かった。今…
阪神が来季の新外国人補強第1弾として、パイレーツのカム・デバニー内野手(28)獲得に動いていることが17日、分かった。今季3Aで73試合遊撃で出場し、三塁や二塁、左翼も守れるユーティリティープレーヤー。さらに3Aで20本塁打を放つなど、パンチ力もある右の強打者だ。小幡や木浪らで争った今季の遊撃争い。遊撃助っ人は球界でもレアだが、加入が実現すれば有力なレギュラー候補の1人になりそうだ。
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球団初のセ・リーグ連覇へ手を緩めない。阪神が新外国人補強第1弾として白羽の矢を立てたのが、現役メジャー内野手のデバニーだ。
今年7月にロイヤルズからトレードでパイレーツに移籍。8月にメジャーに初昇格し、28歳でデビューを果たした苦労人だ。念願の晴れ舞台は14試合で打率1割3分9厘、本塁打なしに終わった。それでもマイナーでは攻守にポテンシャルの高さを発揮した。今季3Aで20本塁打。通算でも85本塁打を記録している右の強打者だ。
確実性に課題が残るが、7月にはカブス傘下にいた前田健太から2本塁打を放つなど、長打力は十分。右翼から左翼方向に特有の浜風が吹く甲子園は、持ち前のパンチ力を生かせる球場といえる。
守備力にも定評がある。今季のメジャーでは三塁だけの出場だったが、3Aでは遊撃で73試合に出場。守備範囲、スローイングとも評価が高かった。三塁で17試合、二塁で9試合、左翼で2試合出場するなど、超がつくユーティリティー性も兼ね備える。内外野がこなせるため、打力次第で左翼争いに割って入る可能性もゼロではない。起用のバリエーションは多そうだ。
遊撃を守れる助っ人はレアだが、阪神はそのレギュラーが不在。今季は73試合の小幡を中心に木浪、熊谷、高寺の4人が守ったが最後まで固定できなかった。ドラフトでは1位で創価大・立石正広(22)、2位で日大・谷端将伍(21)と即戦力内野手を指名。西武を戦力外となった元山飛優内野手(26)も獲得した。だが、デバニーの加入が実現すれば、有力なレギュラー候補の1人になりそうだ。
独走でセ・リーグを制した25年シーズン。日本シリーズではソフトバンクに4連敗して力の差を見せつけられ、2年ぶりの日本一はかなわなかった。球団初のセ・リーグ連覇、そして今年逃した日本一の奪回へ。抜かりのない戦力整備を進めていく。
▽阪神竹内副本部長(新外国人候補デバニー内野手について)「現時点でお伝えできることはございません。また何か皆さまにお伝えできることがありましたら、正式に発表させていただきます」
◆カム・デバニー 1997年4月13日生まれ、米ニューハンプシャー州出身。イーロン大学から19年ドラフト15巡目でブルワーズに指名。23年にロイヤルズ、今年7月にパイレーツに移籍し、8月31日にメジャーデビュー。9月3日のドジャース戦で初安打。メジャーでは14試合に出場し、36打数5安打、0本塁打1打点、21三振で打率1割3分9厘。185センチ、88キロ。右投げ右打ち。
◆過去の主な外国人遊撃手 78年ヤクルト初優勝の立役者ヒルトンは、二塁のほか遊撃でも25試合に出場。1番打者として大杉、マニエルら重量打線に好機をつくる役割を果たした。また近鉄に01年途中に加わったギルバートは遊撃で62試合に出場。豪快なチームを堅守で引き締めた。近年では中日のエルナンデスが14~16年に200試合、ロッテのエチェバリアが21、22年に142試合遊撃を守っている。ちなみに阪神では過去5人。53、54年に与儀真助が22試合、63年ヤシック6試合、65年フェルナンデス9試合、07年シーツ1試合、19年ソラーテ3試合がある。